阪神道路公団は15日、高架橋を支える鋼製橋脚20基に微細な金属疲労が生じていることを発見したと公表した。阪神大震災による被害が大きかった神戸線などに集中していることから、地震の揺れが亀裂の要因と判断している。
これは同公団が今年5月から全路線の鋼製橋脚の隅角部(柱と梁の結合部分)に生じた金属疲労の有無を調査した結果として明らかになったもの。神戸線には全部で237本の橋脚があるが、点検の終わった65本中14本に亀裂が発見された。被害は同線の中でも兵庫県側に集中しており、1995年1月に起きた阪神・淡路大震災での揺れが亀裂を生じさせたものと判断するに至った。
大型トラックに関しては騒音や排気ガスの問題から、ロードプライシングを導入して海側の湾岸線に誘導する対策を進めているが、東京の首都高速道路のように過積載トラックの通行が微細な亀裂を拡大させるという危険性もあり、早期に全橋脚の点検を終了させ、新たな亀裂防止対策を行う方針だという。