首都高速が大雪対策の新体制を発表---構造が特徴的

東京渋谷(2月5日)
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  • 積雪の様子
  • 通行止め実施時間
  • 通行止め実施時間
  • 首都高速道路の構造形式の特徴と除排雪作業への影響
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首都高速道路は、2月4日から7日にかけての大雪時の対応について、課題と今後の対応を発表した(2月20日)。今冬に緊急実施する主な対策として、除排雪体制の再構築と現場を把握する力と本部・現場の連携の強化が挙げられる。

当時の状況を振り返ると、2月6日18時半時点で、全区間の通行止め解除を翌日2月7日朝に予定していたが、実際には2月7日の16時半まで延びた。この遅れは、湿った重い雪による作業効率の低下、情報集約の困難さ、作業進捗管理と応援要請の適正化の難しさが原因だったという。

気象状況としては、2024年2月5日から6日にかけて、本州南岸付近を低気圧が急速に発達し、首都圏を中心に大雪となった。東京都心では最大で8cmの積雪を記録し、総積雪量は22万7000立方メートル25mプールに換算すると、380杯分相当に達した。

除排雪作業の遅れには首都高速の特徴的な構造形式が影響している。首都高速の構造形式は、高架橋が約75%を占め、地熱が伝わりにくく、風が通り抜けやすいため、凍結しやすい。また路肩が狭く、重機での除雪が困難である。これらの特徴から、除雪→排雪→人力による仕上げの作業が必要となり、長時間を要していた。

今冬に緊急実施する対策として、除排雪作業班を10班増やし、総数を184班に拡充。さらに、小型融雪氷装置や小型除雪機などの新たな資機材を投入し、作業効率を向上させる。また、降雪途中から除雪作業に着手するタイムラインの見直しも行われる。

本部と現場の連携強化については、進捗管理専任者を現場に配置し、情報の一元化を図る。現場指揮者も強化され、応援工区にも配置されることで、迅速な情報報告が可能となる。

首都高速道路の構造形式の特徴と除排雪作業への影響首都高速道路の構造形式の特徴と除排雪作業への影響

参考:2月4~7日の大雪で首都高速が対応した部隊数(各作業時点における最大数)

部隊数……パトロール班:16班、交通規制班:48班、人力融雪班:36班、給水タンク班:10班、移動式融雪班:2班、塩水プラント班:13班、融雪装置班:5班、PA・料金所除排雪班:11班、落雪パトロール班:7班

車両……塩水散布車:66台、凍結対策車:7台、スイーパー:40台、フロントブラシ:車4台、スノープラウ:37台、タイヤショベル:91台、ダンプ:366台

応援派遣した関係機関……国交省関東地方整備局:22班、NEXCO東日本:13班、NEXCO中日本:7班、日本建設業連合会関東支部:2班

《レスポンス編集部》

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