スズキの4気筒はやっぱり良い!『GSX-S1000GT』は名機の血統を受け継ぐ新世代のグランドツアラーだ

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スズキ GSX-S1000GT
  • スズキ GSX-S1000GT
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  • モノフォーカスタイプもLEDライトを左右に配置。その上部にバータイプのポジションライトでデザイン。ロービーム時は左側のみ点灯、ハイビームで左右点灯となる。何にも似ていない新しいフロントマスクを生み出している
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2022年に登場したスズキ『GSX-S1000GT』。ネイキッドモデルであるGSX-S1000と共通のエンジンとシャシーを持つものの、そのキャラクターは別物。『GT=グランドツアラー』にふさわしい、作り込みと装備が与えられている。

◆スズキ独自のデザインが、新しさと存在感をアピール

モノフォーカスタイプもLEDライトを左右に配置。その上部にバータイプのポジションライトでデザイン。ロービーム時は左側のみ点灯、ハイビームで左右点灯となる。何にも似ていない新しいフロントマスクを生み出しているモノフォーカスタイプもLEDライトを左右に配置。その上部にバータイプのポジションライトでデザイン。ロービーム時は左側のみ点灯、ハイビームで左右点灯となる。何にも似ていない新しいフロントマスクを生み出している

発表から1年が経過するが、スズキGSX-S1000GTのデザインはとても斬新だ。近年は灯火類のLED化が進み、フロントマスクのデザインの自由度が高まっているが、それをとてもうまく取り入れている。高級感と存在感、そしてスポーツ性の高さを感じさせてくれるデザインは、オリジナリティが高く、スズキの考えるGTらしさがとても明確に伝わってくる。

さらに、スズキ車初搭載となるSUZUKI mySPINにも注目。これは専用アプリをスマホにインストールすると、スマホの情報をメーター内で確認することが可能になり、連絡先、カレンダー、マップ、音楽、電話などの機能を走行中に呼び出せるもので、ツーリングの自由度が大幅に向上する機能だ。

スズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GT

今回は、少し秋の香りを感じさせてくれる富士周辺をツーリング。色々なシチュエーションを走りつつ、様々な景色にGSX-S1000GTを溶け込ませてみた。

跨って、ネイキッドのGSX-S1000よりも14mmライダー側に近づけられ、23mmワイドになったハンドルに手を伸ばす。少し前傾だがリラックスできるポジションで、ステップ位置も膝の曲がりが自然だ。身長165cmの僕でも足着き性に不安はない。

スズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GT

走り出す前にSDMS(スズキ・ドライブモード・セレクター)は「A」「B」「C」の中から最も穏やかな「C」にセット。TC(トラクションコントロール)は「1」~「5」+OFFの中から「3」を選んだ。ちなみに「5」がもっとも介入が多い。こういった操作も直感的に行うことが可能で、信号待ちの際に制御を簡単に変更できる。ちなみにクイックシフトもオン/オフできるが、僕はオフにするシーンは思いつかなかった。

SDMSはA(アクティブ)、B(ベーシック)、C(コンフォート)の3種類を用意。トラクションコントロールは1~5の他にOFFも可能。クイックシフトはアップ&ダウンに対応している。制御のセットは路面状況に応じてもかなり使える。タイヤが冷える時やウエット時は、モードを下げTCの介入度を高めると安心感が高まるSDMSはA(アクティブ)、B(ベーシック)、C(コンフォート)の3種類を用意。トラクションコントロールは1~5の他にOFFも可能。クイックシフトはアップ&ダウンに対応している。制御のセットは路面状況に応じてもかなり使える。タイヤが冷える時やウエット時は、モードを下げTCの介入度を高めると安心感が高まる

◆熟成に熟成を重ねたスーパースポーツ譲りの直列4気筒エンジン

市街地は、迫力のフルカウルボディからは想像がつかないほど軽快。GSX-S1000GTには初めて乗ったのだが、走り出した瞬間に身体に馴染み、極低速域でとてもバランスがとりやすいことに驚かされる。

スズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GT

その扱いやすさに貢献しているのが、GSX-S1000GTに搭載されているエンジンだ。この直列4気筒エンジンは熟成を重ねており、2005年にGSX-R1000に採用されて以来、18年に渡ってスズキ車を支えてきた名機。緻密にセットアップをし続け、そこに最新電子制御をプラス。スロットル操作に対する車体の反応がとても素直だ。

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低速から豊かなトルクを発揮し、市街地でも6速/60 kmで走行可能。クイックシフトの節度もよく、停止時と発進時、小回りの際にクラッチレバー操作は必要だが、それ以外では足だけでシフト操作が可能だった。

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高速道路にステージを変えるとエンジンが余裕のあるキャラクターに変わる。交通の流れをリードすることも、80-100km/hくらいでクルーズコントロールを使いながらゆったりした贅沢な時間を楽しむこともできる。

高速走行時は、肩やヘルメットには相応に風が当たるものの、僕には心地よいフィーリング。ちょっと気になる方は、純正アクセサリーの70mm高いスクリーンを装着するのも良いだろう。ちなみにミラーの形状で手に当たる風を軽減し、カウルから生える小さなウイングで前輪の接地感を向上させている。

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青空と青い湖の前にスズキらしいブルーを纏ったGSX-S1000GTを置く。この日は残念ながら富士山は見えなかったけれど、とても絵になる。ちなみにGSX-S1000GTは今回試乗したトリトンブルーメタリックの他にリフレクティブブルーメタリックとグラススパークルブラックの3色を用意。あえてブルーを2パターン用意するのも新鮮である。

◆ワインディングではスポーツバイクに変身!

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やはりGSX-R1000の血統なんだなぁ……。ワインディングでコーナーをクリアするほどにそんな思いが強くなる。SDMSで「B」を試す。するとレスポンスが良くなり、車体のピッチングもよく出て、扱いやすい。

「A」は僕にはパワフルすぎるが、TCを「4」や「5」にすると加速時にTC発動時にメーター内で点滅が始まり、きちんとライダーをサポートしてくれていることを実感。自信を持ってスロットルを開けられるようになる。この辺りは好みのセットを見つけるとGSX-S1000GTとより深い付き合いができるはずだ。

スズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GT

それにしてもGSX-S1000GTはグランドツアラーなのにコーナリングがとても得意だ。ポジションやサスペンションの設定、バンク角など、本来難しいと思われるグランドツアラーとスポーツバイクらしさを見事に両立。ツーリングルートに積極的にワインディングを入れたくなる。

スズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GT

エンジンも豊かなトルク感に加え、伸びる気持ちよさがあり、GSX-R1000の血統を受け継いでいることを実感する。「やっぱりスズキの4気筒は良い!」何度もそう思った。この重厚感と迫力、伸び、音、すべてに魅力がある。

正直、このスポーツ性の高さは嬉しい驚きだった。「グランドツアラーを乗るにはまだ早い…」どこかでそんな気持ちが僕の中にもあったのだが、GSX-S1000GTは優雅なツアラーらしさと軽快なスポーツバイクらしさを見事に両立。それを知るとGSX-S1000GTがより輝いて見えた。

スズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GTスズキ GSX-S1000GTの公式ページはこちら

小川勤|モーターサイクルジャーナリスト
1974年東京生まれ。1996年にエイ出版社に入社。2013年に同社発刊の2輪専門誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。以後、2輪メディア立ち上げに関わり、現在は『webミリオーレ』のディレクターを担当しつつ、フリーランスとして2輪媒体を中心に執筆を行っている。またレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。

《小川勤》

モーターサイクルジャーナリスト 小川勤

モーターサイクルジャーナリスト。1974年東京生まれ。1996年にエイ出版社に入社。2013年に同社発刊の2輪専門誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。以後、2輪メディア立ち上げに関わり、現在は『webミリオーレ』のディレクターを担当しつつ、フリーランスとして2輪媒体を中心に執筆を行っている。またレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。

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