実話:ゲームのチャンピオンが本物のレーサーに? 本物にこだわって撮影した映画『グランツーリスモ』

『グランツーリスモ』
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【独占】ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に夢中なヤンは、幼い頃からレーサーになることを夢見ていた……。「実話」として話題のハリウッド映画『グランツーリスモ』が9月15日に日本公開される。320km/hの世界を映し出す、全てが本物のリアルな映像作りが追求された作品だ。

日本公開を前に、製作者や俳優のコメントを紹介する。そもそも「事実」があり得そうもないということ、そしてそれを「再現」するのも、普通の方法ではなし得なかったようだ。

◆前代未聞の「GTアカデミー」

作品は、ゲームのトッププレイヤーをサーキットを走るプロレーサーに育成するという、前代未聞のプロジェクト「GTアカデミー」が題材だ。『第9地区』、『チャッピー』といったSFを作ってきたニール・ブロムカンプ監督は、デジタル技術に頼ることなくリアルさを追求した。

見どころの一つは、観客が320km/hのレーシングカーに乗っているような感覚を覚える映像だ。そのためにはその速度で走るレーシングカーに役者を乗せる必要があった。製作総指揮のマット・ハーシュは「脚本を読んだだけで大変な仕事になることは明らかだったが、ニールに、すべて実際にやりたい、と言われて唖然とした」と明かす。安全なのか。そんなことが可能なのか。もともとチャレンジングだった映画がさらにチャレンジングになった。

◆無謀さや危険を再現?

主人公ヤンを演じたアーチー・マデクウィは、レーサーたちは死と隣り合わせの戦いに挑んでいることを身をもって知ったという。「今まで私が経験した中でいちばん大変な撮影だったが、その甲斐はあった。ゴムの匂いや熱さを感じ、リスクや危険を実感するんだ。極限の状況で、実際にどんなことが起こり得るのかを理解することが必要だ」。

本作でマデクウィのスタントドライバーを務めたのは、GTアカデミーからプロデビューしたヤン・マーデンボロー本人。「カメラが常に私に向いていて、フロントガラスからはドローンが飛んでいるのが見えた。もの凄いスピードで走っているのに、そんな自分が撮られているのは不思議な気分だった」と経験を語る。

また、「本物のレーシングカーやドライバーやサーキットをあんなに使うとは思わなかった」と話すのは、ヤンの指導を引き受ける元レーサー、ジャックを演じたデヴィッド・ハーバーだ。「私もレーシングカーに乗ったし、タイヤ交換や給油もして、強烈な体験を作りあげていった。強烈な体験をしている人たちについての映画を作るには、それが必要不可欠なのだ」。ゲーマーからプロレーサーとなった実話を題材としており、役者たちはその無謀さを実際に体験することで得られるものがあったようだ。

◆車が止まっていては感じられない

またマデクウィは「スピード感、例えば顔の皮膚がどう動くのかを表現するのにズルはできない。320km/hのスピードで11台の車に囲まれると叫んでしまうし汗もかく。その極限の状態は車が止まっていては感じられない」と、実写にこだわった監督の演出には納得の様子だ。

ストーリー> 世界的大ヒットのドライビングゲーム「グランツーリスモ」のプレイに夢中なヤン。ゲームに明け暮れる姿に「レーサーにでもなるつもりか、現実を見ろ」と父親にはあきれられる始末。そんな時、ヤンにチャンスが訪れる。「グランツーリスモ」のトッププレイヤーたちを、本物のプロレーサーに育成する「GTアカデミー」だ。

プレイヤーの才能と可能性を信じて「GTアカデミー」を立ち上げた男と、ゲームではトップでも通用はしないと思いながら指導を引き受ける元レーサー、そしてゲームの世界のトッププレイヤーたちが集結。想像を絶するトレーニングやアクシデントを経験、それぞれの希望や友情、そして葛藤と挫折が交錯する中で、デビュー戦の日を迎える。

『グランツーリスモ』(原題は『GRAN TURISMO: BASED ON A TRUE STORY』、直訳は『グランツーリスモ:実話に基づく』)は9月15日(金)に全国の映画館で公開される。

《高木啓》

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