【スーパーフォーミュラ 第4戦】快速新人アレックス・パロウ、富士のウエット予選を制し初ポールポジション獲得

アレックス・パロウが初のポールポジションを獲得。
  • アレックス・パロウが初のポールポジションを獲得。
  • ポールポジションを獲得した#64 パロウ。
  • 予選2位の#39 坪井。
  • 予選3位の#19 関口。
  • 左から予選2位の坪井、ポールのパロウ、3位の関口。
  • チーム無限勢、#16 野尻は予選4位、#15 オワードは予選20位扱いに。
  • 注目のニューカマー、#15 オワードは予選ノータイムで20位扱いとなった。
  • 富士のパドック内では、5月に逝去したF1王者ニキ・ラウダさんを偲ぶ展示も実施中。ラウダさんは1976年に富士開催のF1公式戦を走っている。

全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第4戦は13日、富士スピードウェイにて予選日を迎えた。ウエット路面での予選を制したのはアレックス・パロウで、自身初のポールポジションを獲得。2位には坪井翔がつけ、今季の新人が1-2という予選結果になっている。

予選日の富士、午前中の空模様はほぼ曇りでキープされた。温度条件は7月にしては低めながら、前日の専有走行時よりは上がり、少し蒸してきた印象。そして午後になってから雨がパラつきだした。2時45分スタートのSFノックアウト方式予選は、全車出走のQ1に皆がレインタイヤを履いてコースインする状況から始まる。

Q3まで進んでいくなかでもドライ用タイヤの出番はなく、雨量と路面の水量が微妙に変化し続ける難しいコンディションの予選となったが、見事にそれを制したのが#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)だった。前日のドライでの走行でトップタイムを刻み、「ドライでもウエットでも良いパフォーマンスで戦える」と語っていた通りの流れで、まずは予選の目標であったポールポジション獲得を成し遂げた。今季新人のパロウ、これが初ポールである。

(Q3での#64 パロウのトップタイムは1分39秒167。予選全体での最速タイムはQ1で#5 福住仁嶺=DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダがマークした1分36秒868。#5 福住はQ2敗退で予選12位)

#64 アレックス・パロウのコメント
「トリッキーなコンディションだったけど、僕自身は予選でのドライブをとても楽しめた。Q1ですごくマシンが良く感じられ、Q2ではさらに良くしようとした変更があまりうまく作用しなかったけど、Q3で元に戻したらまたすごく良く反応してくれた。初ポール獲得はとても嬉しいし、チームのためにも良い結果を出せて嬉しく思う」

#64 パロウは金曜にレースでの目標を「優勝、それしかない」と語っていた。晴れも雨も関係なく好感触を維持、発展させながらレースウイークを進めている印象の彼が、このまま初優勝も達成するのだろうか。やはり決勝レース最大の注目点となりそうだ。

予選2位も新人で、昨季の全日本F3を圧倒的な強さで制した#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)がつけた。#39 坪井は第2戦に並ぶ予選自己最高位。「フロントロウからスタートできるので、どういうコンディションであっても、しっかりしたレースをしたいと思います」と、こちらも決勝での早期好成績に向け意欲を燃やす。

それにしても今季のSFでは予選で新人~SFキャリアの浅い若手の台頭が目立つ。開幕戦ではナカジマレーシング(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)が#65 牧野任祐、#64 パロウの順で予選1-2(牧野はデビュー戦ポール)。第2~3戦では予選が多くの選手にとって消化不良な展開に終始するという状況が続いたなかではあったが、第2戦で#39 坪井が2位、昨季4戦に出場し今季が初フル参戦の#5 福住が3位、そして第3戦でも新人 #50 L.アウアー(B-Max Racing with motopark/ホンダ)が3位につけていた。

ただ、決勝に関しては、#50 アウアーの第3戦での3位以外は新人~新顔の若手が表彰台に上がれていないのも事実。今回も予選3~7位に並んだこのカテゴリーの優勝経験者たちが虎視眈々と逆転を狙っている。フロントロウからスタートする予定の#64 パロウと#39 坪井に彼らがどう襲いかかっていくのか、決勝の展開が(天候の面はさておき)楽しみだ。

SF第4戦富士の予選3~7位は以下の通り。

3位 #19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
4位 #16 野尻智紀(TEAM MUGEN/ホンダ)
5位 #37 N.キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
6位 #38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
7位 #8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)

#64 パロウの僚友である#65 牧野はトップ8が戦うQ3に進出したのだが、ギヤ関連に不具合が出てアタックできず、予選8位となっている。

前戦優勝のポイントリーダー、王座連覇を目指す#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)はQ2敗退で予選9位。注目のニューカマー、#15 P.オワード(TEAM MUGEN/ホンダ)はQ1開始直後にスピン~ストップと見られる状況があり、赤旗中断の原因となって予選ノータイムだった(最後尾グリッドを条件に決勝出走が認められている=実質予選20位扱い)。

決勝250kmレース(55周)は明日14日の午後1時45分開始予定となっている。

《遠藤俊幸》

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