【スーパーフォーミュラ 第5戦】野尻智紀が今季初ポール獲得…予選2位は王者・国本、3位に可夢偉

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左から予選2位の国本、ポールの野尻、3位の可夢偉。
  • 左から予選2位の国本、ポールの野尻、3位の可夢偉。
  • #40 野尻がポールポジションを獲得。
  • #40 野尻がポールポジションを獲得。
  • 予選2位の#1 国本。
  • 予選3位の#18 可夢偉。
  • 予選4位の#36 ロッテラー。
  • 予選5位の#15 ガスリー。
  • ポイントリーダーの#2 石浦は予選8位(後方=右は予選6位の#37 中嶋一貴)。

9日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第5戦の公式予選が大分県のオートポリスにて行なわれ、野尻智紀が今季初ポールを獲得した。予選2位は昨年の王者・国本雄資、3位には小林可夢偉がつけている。

九州オートポリスは好天のドライコンディション、まだまだ夏は終わらないというくらいの暑さも感じられるなか、午後1時45分に3段階ノックアウト予選が開始された。開始時の気温は30度で、路温は44度。

今回は前戦に続いてドライタイヤ2スペック制での戦いだが、予選Q1ではソフトを使用してのクオリファイタイム出しが規定的にできなくなったため、供給セット数との絡みから「ミディアム→ソフト→ソフト」というのがQ1~Q3におけるアタック本線タイヤのローテーションになる。

#40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/エンジンはホンダ)はQ1、Q2ともに2番手で通過。そして上位8台でポールを争うQ3では1分26秒196、新コースレコードとなるタイムをマークしてトップに。2位以降を0.191秒離しており、これは僅差接戦が常のSFでは大きめともいえる差となっている。

「すごく嬉しいです。SFのポールポジションには、優勝とはまた違った意味の嬉しさがあるものですから」。野尻にはSFでの優勝経験もポール獲得経験もあるが、“日本一速いカテゴリーで誰よりも速く1周を走った”ことの価値、それをあらためて噛みしめつつ、今季初ポールの喜びを語った。

「クルマの調子も良くて、チームに感謝です。明日のレースでも(勝って)その感謝を表したいですね」と、野尻はルーキーイヤー以来となる3年ぶりの通算2勝目に照準を合わせる。今季はここまで決勝8位が最高と予想外に低迷している野尻だが、前戦でも予選3位になるなど復調ムード。決勝でも本領を発揮して、自身初のポール・トゥ・ウインでの今季初勝利なるか。

予選2位は昨年のチャンピオン、#1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。今季は確勝の展開だった第3戦富士をトラブルで落とす不運もあり、現在ポイントリーダーの僚友 #2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)に18.5点という差を開かれているだけに、そろそろ挽回していかないことには連覇の実現性が消えてしまいそうな正念場だ。

「予選2位でホッとしています。クルマの調子は昨日から良いのですが、調子がいいぶん、さらなるバランス合わせこみの面でチャレンジしきれなかったところもありますけどね。優勝のチャンスはあると思うので、明日はしっかり、やりきりたいです」。ディフェンディングチャンピオン国本も今季初勝利を目指す。

そして予選3位には#18 小林可夢偉(KCMG/トヨタ)がつけた。ここ数戦、好調な可夢偉だったが、実は今回は「昨日の走り出しから(セットアップの)調子があまり良くなくて、今週はダメかな、と正直思いました」という状態に陥っていた。

しかし、予選日になって「クルマ(セットアップ)をかえたら、そこそこいけるようになって、予選では『あれ?』というくらいに」状況が好転。「うまくリカバリーできたとは思います」。Q2はトップ通過、「(ポールも)いけるかな」と思っただけに3位に終わったQ3には無念さも残るようだが、初日からの巻き返し成功に可夢偉も「ホッとしています」。決勝で悲願のSF初優勝を目指す。

今季初、あるいはキャリア初のSF優勝を目指す予選トップ3の後ろにも歯ごたえある強豪メンバーが並び、決勝は激戦の予感が漂う。予選4~7位にはトムスと無限のドライバーたちが交互に固まった。順位は以下の通り。

4位 #36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
5位 #15 P.ガスリー(TEAM MUGEN/ホンダ)
6位 #37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
7位 #16 山本尚貴(TEAM MUGEN/ホンダ)

8位のポイントリーダー #2 石浦を含め、予選4~8位は新人ガスリー以外はチャンピオン経験者で、山本以外は今季優勝経験者という布陣。決勝レース、上位の展開は熾烈を極めそうだ。

54周の決勝レース(約250km)は明日10日の午後1時05分にフォーメーションラップスタート予定。ドライの場合はソフト、ミディアム、両方のタイヤを必ず使用しなければならない規則のもとでの戦いになる。そういった戦略面も含め、勇壮なオートポリスのコースを舞台にしたエキサイティングな戦いが期待される。

《遠藤俊幸》

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