5日、アウディ ジャパンはSUPER GT第5戦開催中の富士スピードウェイにおいて、『R8』クーペV10をベースに開発されたGT4レースモデル「R8 LMS GT4」を日本初公開した。
ここ最近、隆盛の機運がさらに高まっているカスタマーGTレーシングの世界。そのなかでGT4というのは、文字通り、世界的主流であるGT3の次位カテゴリーといえ、こちらも次第に広がりを見せてきている。
アウディのフラッグシップスポーツ、R8にはGT3バージョンの「R8 LMS」が従来からあり(現在は第2世代車)、SUPER GTのGT300クラスでもこのマシンを使用して活躍しているチームがあるなど、その存在は既にお馴染みだろう。また、7月29~30日に決勝が開催されたスパ・フランコルシャン24時間レース(ベルギー)でも総合優勝を飾るなどしており、R8 LMS(GT3)はアウディ スポーツ(Audi Sport)のサポートのもとに世界的な展開と成功を見せている。
R8 LMS GT4は今年4月にニューヨークでワールドプレミアされた。5月にはニュルブルクリンク24時間でレースデビュー。そしてこの日、富士スピードウェイのグランドスタンド裏の広場に設置されたアウディのブースにて、日本での初公開が為された。
アウディ スポーツのカスタマーレーシング代表を務めるのは、かつてアウディのWEC/ルマンにおけるLMP1活動の開発首脳でもあったクリス・レインケ氏。富士を訪れたレインケ氏は、「GT3では50パーセントだったロードカー(R8クーペ)との共通構成部品比率が、このGT4では60パーセントに上がっています」と誇らしげに語った。カテゴリーの位置付けを示し、リーズナブルな価格で競争力あるマシンを供給できる理由であるのと同時に、ロードカーの高性能をあらためて証明する数字ともいえるだろう。
R8 LMS GT4はロードカーと同じくドイツのベーリンガーホフ工場で生産される。共通構成部品比率の高さと同拠点生産との相乗効果で、オーナーには購入価格や維持費の面で恩恵がもたらせるという。そしてアウディ スポーツはAudi R8 LMS GT4のオーナー(購入チーム)に対して、スペアパーツの物流やプロフェッショナルなサポート体制を世界的なネットワークを用いて行なっていく。
日本では今後、スーパー耐久シリーズへのAudi R8 LMS GT4の参戦がより具体的に期待されることになるだろう。