国内では『レブル250』が発売を控えているが、その北米仕様『レブル300』でライドフィールを確かめた。
乗ってまず感じるのは、お手軽なストリートバイクといった印象。80年代に発売された元祖レブルは、車体こそ小柄なものの、これぞアメリカンと言わんばかりのスタイルだったが、新型にはクルーザーという感覚はさほど感じない。
それは見た目だけでなく、乗り味もまた然り。アップライトでゆったりとしたライディングポジションで、シートも低い。日常の足として街乗りにもちょうど良く、「ちょっとコンビニまでお買い物」というような近距離でも気負わず乗れそうだ。
そう感じさせるのは、ストリートを流すときに多用する低中回転域でトルクをしっかり発揮させて、排気音も心地良い単気筒エンジンのおかげ。このフィーリングはかつてのレブルより、CRF250LやCB223Sの方が近い。
ステップに荷重をかけるなどのアクションに従順に反応し、思った通りに操れる。バイクをライディングする楽しさが、技量を問わず誰にでも楽しめるのだ。
もちろん、腕に自信のあるライダーが乗っても面白い。500と共通の車体は決して柔ではなく、エンジンを引っ張り上げて、サスペンションに負荷をかけていっても音をあげるようなことはない。
制限速度70mph(約112km/h)のカリフォルニアの高速道路で、追い越し車線の流れをリードできるし、ハイスピードレンジでの乗り心地もクラスを超えたものがある。
コーナーをハードに攻め込んでも、剛性バランスの良い車体は安定感を失わないし、フロントの接地感を失って車体を寝かせていくのが怖くなるようなこともない。
この『レブル300』のトータルバランスの高さから察すると、『レブル250』も大いに期待できる。日本で乗るのが楽しみだ!!
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★
協力:ホンダ(試乗会)
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。