まずはフランス出身21歳のピエール・ガスリー(#15 TEAM MUGEN/エンジンはホンダ)。彼は昨年のGP2チャンピオンであり、F1レッドブルのジュニアドライバーでもあるのだから、本来ならスンナリF1に行ってもいい存在だ。しかし、シートに空きがないこと等から、SFで勉強しつつ、さらなるキャリアアップを図ることとなった。前年GP2王者のSF参戦は昨季のS.バンドーンに連続してのかたちで、今後も続く可能性はあるが、本来的な意味ではやはり異例である。
今ストーブリーグの最後にSF参戦シートを射止めたのが、F3世界一決定戦であるマカオGPを14、15年と2年連続で制した経歴をもつスウェーデン出身の25歳、フェリックス・ローゼンクヴィスト(#7 SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)。既にフォーミュラEというトップシリーズに参戦している彼だが、それと並行してSFに、高次元のスピードを誇るフォーミュラレースにも挑戦する道を選び、それを実現した。ふた昔ほど前ならマカオ制覇はF1参戦直行切符となったものだが、今はそれがなかなか難しい状況。マカオを2度制した者がSFに来る、というのも異例といえば異例だ。
そして英国出身25歳のヤン・マーデンボロー(#20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)は、昨年の全日本F3選手権シリーズ2位で、GT300のトップコンテンダーのひとりでもあるという面ではキャシディや山下と同様に順当なステップアップだが、キャリア初期においてゲームの世界から“リアルの世界”に進み、そしてここまで上り詰めてきたという意味で、やはり異色の存在なのだ。
初日午前(曇り/ドライ)のセッションは、#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)が1分36秒549の好タイムでトップ。#15 ガスリーは1分37秒740で10位、#7 ローゼンクヴィストは14位、#20 マーデンボローは2度の赤旗中断原因となるなどして17位だった。