今さら訊けない『サブウーファー』の基礎知識…チョイスにおいて

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サブウーファーの取り付け例。製作:マイスター一宮店(愛知県)。
  • サブウーファーの取り付け例。製作:マイスター一宮店(愛知県)。

ドアのスピーカーが出す音よりも低い音の再生を担当するユニット『サブウーファー』。カーオーディオにはなくてはならない重要アイテムであるのだが、種類が多く、使い方にもいろいろな考え方があるので、いまいちよくわからない…、なんて部分もあるはずだ。

というわけで、『サブウーファー』についての素朴な疑問を一気にクリアにしていただくための短期集中連載をお届けする。毎回、カーオーディオ・プロショップに教えを請うて、この奥深きユニットに関しての基礎知識を解説していく。

第1回目となる今回は、愛知県の実力ショップ、“マイスター一宮店”の小澤さんにご協力をお願いした。まずはチョイスにおいて知っておきたいことのあれこれをお訊きした。

■口径違いでサウンド傾向は異なるものの、鳴らし方でコントロールすることも可能。

まず『サブウーファー』には、口径違いがさまざまある。18cmのモデルがあったり、30cmもの大型タイプがあったり…。口径違いについての傾向と対策からお訊きした。

小澤「一般的には、口径が小さいタイプはタイトな低音が出しやすい、反応スピードも速いのでキビキビと低音を鳴らしやすい、と言われることが多いです。対して口径の大きいタイプは、より低い音までを出すことができますので、ローエンドまで伸ばしたい、ゆったりとした低音が欲しい、そういう方に向いています。

さらには、口径が小さめのもののほうが、フロントスピーカーと音がつながりやすい、という傾向もありますね。全体的なサウンドの一体感を重視したいと思ったら、大き過ぎないものを選んだほうが無難です。

ちなみに、タイトな低音が欲しいので小口径モデルを選びながらも、敢えて2発使いとすることで量感も確保しようとするアプローチもあります。口径ですべてが決まるというものでもないので、大きいものでなければだめだとか、決めつける必要はないですね。

また、取り付け上の都合で小さいものを選ばざるを得ない、というケースも出てきます。自分のクルマのどこに取り付けたいか、それによっても使える大きさが限定されることもあるわけです。最初に、取り付ける場所、取り付けるスタイルから考える、という選定方法もあります。そしてどのような音が欲しいかについては、鳴らし方でコントロールすることも可能なんです」

■“インピーダンス”や“ボイスコイル”違いによる傾向と対策は!?

『サブウーファー』には、“口径違い”に加えて、さらには、“インピーダンス”や“ボイスコイル”といった違いもある。これらについてはどのように考えるといいのだろうか。

小澤「“インピーダンス”とは、簡単に言ってしまうと“抵抗値”のことで、単位には“Ω(オーム)”が使われています。オームの法則に従って考えれば、抵抗値が少なくなるほど、大きな電流が流れます。であるので、“インピーダンス”の低いサブウーファーには大きなパワーが入れられますから、パワフルに鳴らせる、ということは言えると思います。

しかし、『サブウーファー』を選ぶ際には、“インピーダンス”ありきで考える必要はないと思います。どのように鳴らすか、という接続上の都合によって最適なものを選ぶ、という考え方で良いでしょう。『サブウーファー』を1発だけ鳴らすとき、それをブリッジ接続で鳴らしたいとき、2発を直列接続で鳴らしたいとき、並列接続で鳴らしたいとき、3発、4発と個数を増やしたいとき、というように、いろいろな鳴らし方、接続の仕方が考えられるのですが、その都合に合った“インピーダンス”のモデルを選ぶ、という手順でいいと思います。

その部分については、プロショップに任せれば良いのではないでしょうか。お客様的には、“インピーダンス”を大きく気にする必要はないでしょう。

次に、“ボイスコイル”が“シングル”か“ダブル”か、についてですが、その名のとおり、“ダブル”になれば磁気回路が2つになるわけですね。磁気回路が2つあれば、それぞれにパワーアンプの1chずつをあてがうような使い方をして、よりパワフルに鳴らすことが可能となります。

というわけで、パワーを優先させる場合には、“ダブルボイスコイル”の製品が選ばれ、音質を優先させる場合には、“シングルボイスコイル”の製品が選ばれる、という側面はありますね。

とは言いつつも、“ボイスコイル”のタイプありきで製品選びをする必要はないと思います。好きなブランド、好きなモデル、奥行きの有るタイプか薄型か、そういうところから選んでいくと、結果それが“ダブル”であったり、“シングル”であったりと、後から付いてくる要素、でもあるのです。

なお、“ダブルボイスコイル”のほうは、上手に鳴らすための難易度は上がります。特に、それぞれの“ボイスコイル”にパワーアンプの別chを接続する場合には、ゲインを厳密に合わせる必要がある等々、もろもろのセッティングがシビアになってくるんです。アンプのch数が多く必要になる、という意味でも難易度(コスト)が上がっていきます。一応、このことは頭に入れておくと良いのではないでしょうか」

まず今回は、ここまでとさせていただく。『サブウーファー』選びには、これら以外にもまだいくつかのファクターがある。次回はそれらについて考察していく。乞うご期待。

今さら訊けない『サブウーファー』の基礎知識。Part.1「チョイスにおいて」

《太田祥三》

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