鉄腕アトムを自分で製作---「ATOMプロジェクト」が始動、講談社など5社

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コミュニケーションロボット「ATOMプロジェクト」
  • コミュニケーションロボット「ATOMプロジェクト」
  • 「ATOMプロジェクト」での各社の役割
  • 左から富士ソフトの坂下智保社長、NTTドコモの吉澤和弘社長、講談社の野間省伸社長、手塚プロダクションの手塚眞取締役、VAIOの大田義実社長

「鉄腕アトムを自分で作ろう」---。講談社、手塚プロダクション、NTTドコモ、富士ソフト、VAIOの5社は2月22日、「ATOMプロジェクト」をスタートし、その概要を発表した。

このプロジェクトは「手塚治虫生誕90周年記念企画」として企画されたもので、講談社で3年前に話が持ち上がったという。それに、手塚プロ、NTTドコモ、富士ソフト、VAIOの4社が協力する形でスタートしたわけだ。

その第1弾が『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』の創刊で、鉄腕アトムをモデルにしたコミュニケーションロボット「ATOM」をユーザー自らが組み上げるのだ。いわゆるパートワーク誌で4月4日に第1号が刊行され、2018年9月発売予定の70号で「ATOM」が完成する。

講談社が全体のプロデュース、手塚プロがキャラクターの監修、NTTドコモが自然対話プラットフォームの提供と対話シナリオの設計技術支援、富士ソフトがロボティクスや各種アプリケーションの設計開発、そしてVAIOがメインボードなどの基板実装と組み立て代行サービスを担当する。

NTTドコモの吉澤和弘社長は「会話データを記録し、会話すればするほど密度が増していく。日本初の進化する本格的コミュニケーションロボットをドコモのクラウド技術でしっかりと支え貢献したい。そして、アトムが生活に貢献する身近な存在となれるよう、さらに対話プラットフォームを磨き上げたい」と話す。

また、富士ソフトの坂下智保社長は「7年前から販売しているコミュニケーションロボット『PALRO』のノウハウを惜しみなくATOMに搭載した。研究開発と実践で培った英知を結集してATOMに貢献していく」と強調。

そして、VAIOの大田義実社長は「鉄腕アトムのアニメが最初に放送された時、そのアトムが見たくてテレビを買ってもらった。今回のプロジェクトに参加できることに運命を感じている」と思いを語った。そのVAIOはPCのほかに富士ソフトのPALROの製作を行っている。

いずれにしても、今回のATOMロボットは5社がそれぞれの得意分野を活かしたからこそ完成できたと言っていいだろう。価格は全70号合計で約18万円、VAIOの組み立て代行サービスに頼むと約21万円になる。

「ATOMプロジェクトはロボットという新しいエンターテイメントデバイスの可能性を開拓した。一家に1台このATOMを普及させていきたい」と講談社の野間省伸社長はATOMに対する思いを話していた。

《山田清志》

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