バイクファンに根強い人気のあるヤマハ『VMAX』が、2017年8月をもって生産終了することがわかった。公式サイトによれば、生産予定台数は120台とあるが、状況によっては120台生産できない場合もあるという。ファンにとっては、じつに惜しまれるニュースだ。
筋肉隆々なマッチョな車体に、怒濤の加速性能を発揮するV型4気筒エンジンを搭載するVMAX。その初代は、北米向け輸出車として1985年に誕生し、それまでのカテゴリーに収まらないマッスルな車体デザインとライドフィールは世界中のバイクファンに注目を集め、ヨーロッパや日本でも販売。
1990~1999年には国内ラインナップにも名を連ねるなど、2007年末までの生産累計台数は約10万台にも上った。
2008年にはフルモデルチェンジを果たし、排気量を1198→1679cc化。国内では2009年より新型を導入していた。
水冷4ストDOHCV型4気筒エンジンは、75度だったVバンク角を65度に変更し、燃料供給器をフューエルインジェクション化。「YCC-I」(ヤマハ電子制御インテーク)や「YCC-T」(ヤマハ電子制御スロットル)といった先進技術も導入し、新カムチェーンレイアウトやアルミ鍛造ピストンを用いた。
足まわりもこのとき一新され、前後18インチのホイールサイズをフロント18、リア15インチとしていた。320mmウェーブディスクローターと6ピストンのラジアルマウント式モノブロックキャリパーを組み合わせたフロントブレーキ、酸化チタンコーティングが施されたフロントフォークなど、ディテールに至るまで死角はない。
ヤマハは「VMAXは至宝であり財産」とし、「ヤマハのモノ創りの精神である人機官能の象徴」ともしている重要なモデル。後継機種についてはまだ何も情報はない。