日本ミシュランタイヤが3月20日、4月より国内市場に投入する新スポーツタイヤ「パイロットスポーツ 4S」の記者発表を行った。
登壇した日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長ポール・ペリニオ氏は、「2013年からほとんど成長していない日本のタイヤ市場において、高い成長率を示す19インチ、20インチタイヤ。新しいタイヤはこの市場に向けたスポーツタイヤとなる」と語る。このサイズのタイヤとなると、ハイパフォーマンスタイヤ、スポーツタイヤと呼ばれるカテゴリーとなり、対象となる車種は輸入車がメインとなる。
ミシュランでは、19インチ、20インチのラインナップとしてパイロットスーパースポーツというシリーズを持っているが、これはサーキット走行などを意識したスポーツタイヤというより、むしろハイパフォーマンスタイヤに近い。パイロットスポーツ 4Sは、グリップ性能や走行性能をさらにアップし、サーキット走行にも使える性能を目指したという。
サーキット走行に対応したスポーツタイヤには、ニュルブルクリンク耐久レースの技術を投入したパイロットスポーツカップ2というタイヤがあるが、カップ2との違いはウェット性能が大幅にアップしているため、通常走行からサーキットまで適用範囲が広い。年に数回しかサーキットを走らないという人もウェット性能を気にしたり、サーキット専用タイヤを用意したりする必要がない。
このようなタイヤを開発した背景には、同社が理想のスポーツタイヤに求められる性能を調査したところ、1位はドライグリップ、2位がウェットグリップ、3位がブレーキ性能、以下ハンドリングや応答性能などと続いた。その結果「ドライおよびウェットのグリップ性能、ブレーキ性能、走行安定性(ハンドリング&高速走行)の3つに注力したタイヤを開発した(マーケティング部ブランド戦略マネージャ 成瀬朋伸氏)」という。
サーキット走行も可能というグリップ性能やブレーキ性能については、輸入車メーカーから評価され、純正装着の車両としては、メルセデス AMG Eクラス E43、フェラーリGTC4 Lusso(ともに2017年モデル)が決定している。また、パイロットスポーツ4Sは、タイヤラベリング表示でAaまたはBaとなり、スポーツタイヤでは珍しいウェットグリップは最高ランクの「a」を獲得している。