【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁 | レスポンス(Response.jp)

【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁

試乗記 輸入車

【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
  • 【シトロエン C4カクタス 試乗】現代の「2CV」降臨…中村孝仁
200台限定で導入されたシトロエン『C4カクタス』に試乗した。確か、昨年の東京モーターショーに出品されてからおよそ1年での導入だ。

日本人は新しい物好きだから、この200台限定はあっという間に完売し、どうやら追加導入も決まったようだ。『C4』を名乗るからてっきりC4ベースなのかと思いきや、何とプラットフォームは『C3』と同じPF1なのだという。

このクルマの売りは何といってもその軽さにある。日本仕様ですら、その車重は1トンを僅かに超える1070kg。本国の最軽量だと1トンを切る965kgだという。今や軽自動車ですら1トン越えがあるくらい、クルマの重量は諸々のデバイスによって増加している昨今、このシンプルで軽量なクルマにはただそれだけで魅力を感じてしまう。

もう一つの特徴が、ボディサイドを覆うエアバンプの存在。4km/h以下のスピードならぶつかってもボディに損傷を与えないというが、日本では隣に止めたクルマから食らうドアパンチを防護できるという点で、大いに役立ちそうだ。実際、クルマを借りている5日間、全くその心配をせずに過ごすことが出来た。

外から見ても、室内に入ってもその雰囲気は呆気ないほどシンプルというか、潔いというか、まあ愛想がない。シートはザックリと織られたファブリックで、こいつは肌触り、掛け心地共に非常に良い。確かに本革の方が耐久性は良いのだろうが、実は真冬に座った時に寒さを感じさせないのはこっちだし、温度以上の温かみも感じさせてくれる。

シフトレバーと思しき形のレバーは、何とサイドブレーキ。そしてシフトレバーはなくダッシュにつくプッシュボタン操作でギア操作を行う。それもシンプルにP、D、Rしかない。特定のギアを選ぶのはパドル操作。いわゆるパーキングポジションがないので、サイドブレーキに果たす役割は大きい。

余談ではあるが、今回の試乗車は正規に導入される日本仕様と異なっている部分が多々あり、例えばリアシートはこのクルマの場合分割可倒が出来ないが、正規のものは分割可倒可。そしてルーフのパノラマグラスは日本仕様には存在しない。また、イエローの外観は日本仕様の場合本来黒の内装だが、試乗車は茶色と色々と異なっている。

さて、エンジンとトランスミッションの組み合わせは1.2リットル、ピュアテック3気筒と5速ETGの組み合わせである。正直言ってETGとの組み合わせと聞いた瞬間に、快適でスムーズな乗り味は半ば諦めた。というのも、過去に味わったETGは、お世辞にも褒められる代物ではなく、プジョー、シトロエンの諸悪の根源がこのトランスミッションにあると思っていたし、そう実感していたからだ。

それを何を今更…と思って試乗して驚いた。そりゃあ、ツインクラッチのDCTと比べればスムーズでないのは当たり前だが、過去に味わったETGと比べれば、隔世の感があるスムーズさを持っていた。少なくとも街中で前車を追従するようなケースでこのETGに痛痒を感じることは一切なかった。意図的にフル加速を試みても、上手い具合にトルクの谷を消して、同乗者が前後に揺すられることを極力防いでいる。ただし、やはり下手だったのは極低速の渋滞の中や、最近多い郊外型ショッピングセンターの駐車場にみられる登り坂など。ここはあらかじめパドルをつかってしまった方がスムーズに走れた。

PF1というプラットフォームは、シトロエン・プジョー的には1世代古いプラットフォームである。最新のC3はEMP1という新しいものに移行している。では、この古いプラットフォームによる乗り味はどうか。これが実は古き良き時代のシトロエンの乗り味を再現しているといっても過言ではない。

例えばEMP2という一回り大きな最新プラットフォームは、既にシトロエン『C4ピカソ』などに使われて日本市場でも走っているが、こいつはのほほんとしたゆったり感の中に芯の強さを感じさせて、決してドタバタしない。一方のPF1は、のほほんはそのままだが、芯の強さは無し。ズバリ緩い。剛なところがどこにもない。どことなくペラペラ感とボディのプヨプヨ感(エアバンプの)が織りなす印象は、まるで現代の2CVと言っても過言ではない。

1.2リットルのピュアテック3気筒も、ノンターボだからパワーは82psしかないし、最大トルクも118Nmとかなりひ弱である。勿論、軽いから性能的にこれで不満が出るかというとそんなことはない。しかも、巡航速度に達してしまうと案外速い。このあたりも70年代に盛んに使われたシトロエンを表現するフレーズだ。

そして最後にお値段ファブリック地のシートを持つモデルは238万円。その外観の大きさから想像するに、てっきりもっとお高いと思っていたが、なかなか魅力的な設定である。単純にマツダデミオディーゼルにちょっと上乗せすればこいつが買えると思うと、へぇー!?と思う人は多いと思う。相変わらず、やってくれるぜ、シトロエン!

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

レスポンスコメント欄(β)開設!ぜひ気になる記事にコメントしてください

編集部おすすめのニュース

おすすめの商品