【メルセデスベンツ E220d 試乗】「W124」の風合いが心に刺さる…島崎七生人

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メルセデスベンツE220d アバンギャルド スポーツ
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「E220d」の4気筒・2リットルディーゼルターボは194ps/40.8kg-m(欧州参考値)というもの。ところがこのクルマには、スペックを忘れさせる何かがある…そんな風に感じた。

最新型の「E」だが、どこか懐かしい。風合いが“W124”を思い出させてくれる…のである。最新のディーゼルらしくトルクの余裕は十分だが、アクセルを踏み込むと、いたずらにクルマを前に出さない。(褒め言葉だが)トロン、ジンワリと穏やかな加速を始めてくれる。

その人の気持ちを決して齷齪(あくせく)とさせない間合いは、昔ながらのメルセデス・ベンツのセダンの振るまいそのもので、ホッとさせられる。もちろん必要とあらば十分に切れ味のいいパワーフィールを発揮し、ガソリン車同等のスムースな加速もやってのける。1820kgという試乗車の車重に対してバランスのとれたパフォーマンス、そんな印象だ。

音・振動が制御されているのも現代的だ。試しにアイドリングさせた状態からエンジンフードを閉めると、伝統のカプセル構造が効いてエンジン音がスッと閉じこめられた。走行中の車内では音がするものの、音量は低く、耳障りなメカ音が少なく、『Eクラス』らしい上質感は損なわれていない。

“アバンギャルド・スポーツ”仕様の試乗車は前後異サイズの19インチタイヤを装着。けれど乗り味はなめらかで懐の深さが感じられ、ステアリングフィールにも過敏さはなく、ボールナット式の頃のようなしっとりとした感触がある。

今どきのクルマなので、液晶表示のメーターやグレーステッチ入りのナッパレザーシート(オプション)などを備える。装備レベルは十分に高級車だ。が、上質ではあるけれど華美すぎないムードが『Eクラス』中、もっとも心に刺さる、そんな気がする。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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