忘年会&新年会シーズン…タクシー行列に並ぶか、避けるか

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銀座周辺のタクシーのイメージ
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「日本人は律儀に並ぶでしょ。でも、人混みをちょっと離れたところまで歩いて捕まえればいいのにね」。師走の都心を走るタクシーの運転手はそう話していた。「タクシーのりばじゃないところでは、乗車拒否されると思っている人がいるんだよね」と。

9月中旬、野外フェスの会場まで、その最寄り駅からタクシーを利用したとき、同じことを言っていた。「行列をつくるのりばからちょっと離れて、その行列ができている駅へと戻ってくる空車のタクシーを捕まえて、Uターンさせたほうが早いんじゃないかな」。

「ただ、反対車線を行くクルマに手を上げても、かんたんにUターンできればいいけど、こりゃダメだってときは、『ムリムリ』って手ぇ振っちゃうけどね」

冒頭の、都心を走るタクシー運転手は、「ただ銀座だけはダメだよ」と付け加えて、マニュアルを見せながらこう教えてくれた。

「銀座はね、乗車禁止地区があるから。ほら、ここに書いてあるでしょ。夜の10時から1時まで、決まったところでしか乗れないんですわ」

マニュアルには、国土交通省 関東運輸局、東京タクシーセンターなどの発信元情報の上に、乗車禁止エリアのマップが描かれていた。

「銀座乗車禁止地区は、タクシーによる運送の引受けの適正化を図るため、国の法律により午後10時から翌午前1時までタクシー乗り場以外ではタクシーに乗車できません。タクシー乗り場は、おおむね150m圏内にありますのっで、タクシー乗り場からご利用ください」

そのマップには、「タクシー業務適正化特別措置法 第43条(タクシー乗場及びタクシー乗車禁止地区の指定)」と記されている。その43条には、「国土交通大臣は、特定指定地域内の駅前、繁華街等におけるタクシーによる運送の引受けの適正化を図るため特に必要があると認めるときは、タクシー乗場を指定し、かつ、旅客のタクシーヘの乗車を禁止する地区及び時間を指定することができる」とある。

国交省 関東運輸局 自動車交通部 旅客第2課は、このタクシー乗車禁止規制について、「銀座地区のように、輸送需要が集中的に発生することによって乗車拒否等の違反行為が頻繁に行われる可能性のある地区及び時間について、タクシー乗り場を指定して、旅客のタクシーへの乗車の秩序を確立させるとともにタクシーへの乗車を禁止する地区を指定することにより、タクシーによる輸送の引き受けの適正化及び利用者利便の確保を図ることを目的とした規制」と説明している。

野外フェス会場へと送ってくれた運転手は、「行列をつくるタクシーのりばの、すぐ手前で手を上げても、『ちゃんと並んでくださいよ』っていう意味で通り過ぎちゃうかもしれないけど、基本は『空車』だったら、どこでも客を乗せるはずだよ」と話していた。

《レスポンス編集部》

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