【SUPER GT 最終もてぎ連戦】今回の予選は“ひとり勝負”…土・日それぞれの予選出走ドライバーが決定

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目下GT500クラスのポイントリーダー、3連覇を目指す#1 GT-R。
  • 目下GT500クラスのポイントリーダー、3連覇を目指す#1 GT-R。
  • #1 GT-Rの(左から)クインタレッリ、鈴木豊監督、松田次生。
  • 現在GT500ドライバーズランク2位の#6 RC F。
  • 現在GT500ドライバーズランク3位の#38 RC F。
  • #38 RC Fの(左から)立川祐路、高木虎之介監督、石浦宏明。
  • 現在GT500ドライバーズランク4位の#39 RC F。
  • NSX勢の躍進も期待される(#15 NSXは今回が最終参戦)。
  • 土曜~日曜、もてぎの空は晴れるものと見られている。

SUPER GTの今季最終もてぎ大会は第3戦(土曜)と第8戦(日曜)の2連戦タイトルマッチとなっているが、予選はそれぞれドライバー1名のみ出走の特別形式。公式練習日の金曜(11日)夕刻には、各予選の出走ドライバー登録が行なわれている。

まず、今回の大会スケジュールとフォーマットを確認すると、明日の土曜(12日)が地震による九州オートポリス戦中止に伴う第3戦代替の予選&決勝、そして日曜(13日)が元来のもてぎ戦である第8戦の予選&決勝となる。

土・日とも決勝レースはドライバー両名がピットでマシンを乗り継ぐ通常形式だが、今大会の予選はいつもの2段階ノックアウト(Q1~Q2)ではなく、土・日どちらの予選も各クラス別の朝15分間1セッション勝負。そしてコンビを組むドライバーのうちのひとりが土曜の予選を担当し、もうひとりが日曜の予選を受け持つ規則になっているのだ。

第3戦、第8戦、各々の予選に出走する顔ぶれが決定したわけだが、そこには各陣営の戦略も見え隠れする。ここではGT500クラスの各予選出走ドライバーを以下にまとめてみた(カッコ内は土曜の第3戦におけるウエイトハンデ=原則として現在までの獲得ドライバーズポイント。日曜の第8戦はGT500全車がノーハンデの見込み)。

■日産GT-R
#1 土曜:松田次生(56kg) 日曜:R.クインタレッリ
#12 土曜:J-P.デ.オリベイラ(36kg) 日曜:安田裕信
#24 土曜:佐々木大樹(22kg) 日曜:柳田真孝
#46 土曜:千代勝正(28kg) 日曜:本山哲
■ホンダNSX
#8 土曜:松浦孝亮(16kg) 日曜:野尻智紀
#15 土曜:武藤英紀(20kg) 日曜:牧野任祐
#17 土曜:小暮卓史(27kg) 日曜:塚越広大
#64 土曜:B.バゲット(7kg) 日曜:中嶋大祐
#100 土曜:山本尚貴(19kg) 日曜:伊沢拓也
■レクサスRC F
#6 土曜:大嶋和也(46kg) 日曜:A.カルダレッリ
#19 土曜:関口雄飛(41kg) 日曜:国本雄資
#36 土曜:N.キャシディ(35kg) 日曜:伊藤大輔
#37 土曜:平川亮(32kg) 日曜:J.ロシター
#38 土曜:立川祐路(45kg) 日曜:石浦宏明
#39 土曜:H.コバライネン(45kg) 日曜:平手晃平

現在のGT500は大半の陣営がジョイントナンバーワンといえるドライバー体制を取っており、どちらがどちらの予選に出走しても大きなパフォーマンス差が出るものではないが、それでも高次元において“エース”は存在し得る。そして興味深いのは、現在ドライバーズランキング2~4位に1点差で固まるレクサス勢の3陣営が、(一概には言えないが)よりエース度が高いと目される方のドライバーを土曜の第3戦にもってきたことだ。

最終的に日曜のレースで目下ポイント首位の#1 GT-Rとタイトルを争うためには、#6、#38、#39のRC F各チームは、まず土曜の段階でレクサス勢首位の座に就きたいのだ。そうすることで、他の援護を有形無形に受ける立場で日曜に臨める。だから土曜へのエース配置志向となったのだろう。

それに、#1 GT-Rを10~11点差で追う立場である以上、レクサス勢上位陣のエンジニアのひとりは「(2レース開催とはいえ)一戦一戦、その時点で持てる力の全てを出し尽くして戦っていこう、という考え方」との旨も語っている。なるほど、と思わされるところだ。

一方、レクサス勢の追撃から逃げる格好の日産勢旗艦#1 GT-R(ニスモ)は、現在の10点(以上)のリードを鑑みたオーダーを取ってきたといえよう。もちろん極めてダブルエース度の高いチームだけに、ここはまさにどちらがどうということはないのだが、通常はQ2を担当するR.クインタレッリを日曜の予選にもってきたあたり、追う側とは違う論理が働いた戦略のように思えて面白い(プロ野球の日本シリーズ、3勝2敗とリードした際の日本ハムの戦略にも似る)。

また、ホンダ勢に関しては正直なところ苦戦が続いている今季、全車ノーハンデになる日曜は厳しいとの観測が傍目に成り立つ。だから、日産やレクサスより成績不振な分ハンデが軽い土曜を一層重視、というような狙いのチームもあると窺える。

タイトル争いのカギを握るのはホンダ勢かもしれない。彼らがレクサス勢を押しのけ、#1 GT-Rが絶好調、というような流れになると、まさかの土曜戴冠、ニスモ3連覇決定の可能性もなくはない。

公式練習が雨だっただけに、土曜がドライになればフタを開けてみて驚くような勢力図が浮かび上がることだってあり得る。とにかくブッツケ本番度の高い展開での2連戦、現段階では数多くの陣営に数字的可能性が残る王座戦線が混迷の度を深めた、ともいえそうだ。はたしてどうなるか。

12日・土曜の第3戦は予選開始が朝8時35分、決勝53周レース開戦は13時10分の予定となっている。

《遠藤俊幸》

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