マツダは11月2日、為替相場が想定よりも円高で推移していることをなど理由に2017年3月期の業績予想を下方修正した。営業利益は従来予想の1700億円から1500億円に減額し、前期実績に対しては33.9%の減益となる見通し。
マツダの丸本明副社長は同日、都内で開いた決算会見で「為替影響が前期に対して営業利益で1230億円の減益要因という極めて大きな金額」としながらも、「200億円下方修正したが1500億円レベルの利益を稼げるというのは超円高といわれた当時に比べると収益力がついてきたのかなという判断もしている」との認識を示した。
その理由として「超円高と呼んでいた2012年3月期と比較してみると米国ドルは当時1ドル=80円だったので、今はまだかなり円安。ユーロは足元にかなり近く、豪州ドルやカナダドルは当時よりも円高、新興国通貨に対しても円高ということで、社内では当時の円高と同じレベルの影響があると判断をしている」とした。というのも2012年3月期は387億円ものの赤字だったからだ。
一方で丸本副社長は「国内生産の80%を輸出するマツダにおいて為替の影響は永遠の課題」とも指摘し、「構造改革ステージ2の期間中にさらなる海外工場の能力増強等は考えないが、やはりあらゆる領域における業務の質、まさに構造改革ステージ2で掲げたビジネスの質的向上を重ねながら、より為替に対する収益力を上げていくことに取り組んでいく」との考えを示した。