スタイリングに関して、モーフィングのもう少し先まで進んだカタチを見たかった思いは残る。けれどそのこと以外のほとんど、新型はクルマとしてまったく新しい世代に生まれ変わったのだ…ということを、公道を実際に走らせて実感した。素晴らしいと感じたのは乗り味だ。クルマが走り出した瞬間からなめらかさに驚かされるし、スピードを問わずフラットライドが実現されていて実に心地いい。試乗車は18インチタイヤ装着車だったが、それでも快適なのだった。かなりセンスのいいセッティングに感じる。それとしっとりとしたステアリングフィールも気に入った。操舵力、反力も自然で常に適度な手応えが掌に伝わってくるし、ステアリングを切り込んだ際のクルマの反応も素直。もちろん走行中の音、振動も抑え込まれているのもわかる。内外メーカーの新しいプラットフォームを採用した新型車に触れる機会は多いが、これほど如実に進化の度合いを実感させられる例はそう多くないと思う。インテリアもデザイン自体は“先”というより“今”という印象。だが作り込みに相当に力が入れられたことが伝わってくる。適宜ソフトな感触が用いられたトリム類の質感は高いし、少し艶を抑えたクロームの加飾も室内全体で統一感が出て、質感が高まった。ステアリング(サイズ、グリップ形状が馴染みやすい)、シート(自然に身体をホールドしてくれる)もいい。ただし多機能なために表示箇所が多い(メーター内とインパネ中央、それとナビ画面もある)のは、何か整理する方法がとれないか?とも思う。ラゲッジスペースもスッキリしているが、トリム、カーペット類の質感が、室内側にやや追いついていない気もする。走りも素直で高速、山道とも気持ちよく安心して走らせていられる。よほどCVTに嫌われるような運転をしない限り、2リットルと排気量も大きいから、ストレスのない加速が可能だ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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