技能士のW杯、WorldSkills International アブダビ大会(2017年10月開催)へ向けた選手選考会「技能五輪全国大会」(山形 10月22・23日)。「機械組立て」部門は、パナソニック丹下達也氏が金賞、デンソー川添達也氏、豊田自動織機 内木智博氏、クボタ森景志氏が銀賞に。
第54回技能五輪全国大会(写真40枚)は、全国の若手技能者たち1330人が、金属系5種、電子技術系4、機械系8、情報通信系3、建設・建築系10、サービス・ファッション系11の41種の部門で自分の腕を競い合う国内最大級の技術競技。
同大会の各競技は、山形市をはじめ、寒河江市、天童市、山辺町などの体育館、大学校・専門校・高校、自動車関連施設などを会場とし、両日とも各会場を結ぶシャトルバスが運行された。
各種目のトップ成績選手らは、2017年10月、アラブ首長国連邦・アブダビで開催される国際大会に日本代表選手として参戦する。
0.01ミリ以下の世界で黙々と戦う
その「機械組立て」部門の課題は、「プレスブレーキ」という曲げ加工装置がテーマ。アルミ板の2か所を直角に折り曲げて、コの字形に加工。2つのユニットA・B装置を使い、ユニットAに与えた回転運動を、カムを介して直進運動に変換、ユニットBに取り付けたアルミ製ワークの位置を決める。
さらにユニットBで、パンチを下方に移動させワークに曲げ加工を実施。本装置の複合動作にPICマイコンを使い、ロータリーアクチュエータとエアシリンダを連携動作。装置の円滑な動作を保つために、部品の精巧な手仕上げ技能と、正確な測定技能、繊細な組立て調整技能が求められる。
競技時間は7時間で、支給される8部品126面をヤスリで仕上げたのち、ワークの加工機能をチェックすることでフィニッシュ。精度はすべて0.01mm以内という厳しさで、金賞・銀賞・銅賞まであと一歩という敢闘賞には、いすゞ自動車 山本秀平氏、三菱日立パワーシステムズ西野魁人氏・吉元祐貴氏、パナソニック小峰絢也氏、東芝総合人材開発 末藤翔氏、豊田自動織機 大澤楓氏、クボタ川口巧汰氏が選ばれた。
同部門には、自動車メーカーやサプライヤー、精密機器メーカーなどから43人の技能者たちがエントリー。その所属内訳は下記の通り(拠点地の都道府県、北から南への順)。
クボタ/日立製作所/三菱日立パワーシステムズ/ミツバ/いすゞ自動車/東芝総合人材開発/パナソニック/YKK/アスモ/アイシン精機/デンソー/豊田自動織機/日立金属/マツダエース