政府厚生労働省はこのほど、初めてとなる「過労死等防止対策白書」をまとめ、閣議決定した。
白書によると、メンタルヘルスケアに取り組む事業所は増えているが、仕事や職業生活に関する強い不満や悩み、ストレスを感じる労働者の割合は5割を超えている。
2015年度に厚生労働省が支給決定した脳・心臓疾患による労災件数は計251件だが、業種別ではその3割に当たる79件がトラック運転者に対するもので、業種別、職種別に見てもダントツに多い。
トラック運送事業の年間総実労働時間は、全産業平均の2026時間を大きく上回る2443時間におよぶ。発注者である荷主の物流に対する要請が年々厳しくなっているためで、そのしわ寄せがトラック運転者の過酷な労働実態となって現れている。
近年、トラックドライバー不足が深刻さを増している。荷主の理解を得て、ドライバーの長時間労働を改善しなければ、物流の担い手がいなくなってしまうのではないか。