【MotoGP 第15戦日本】Moto2の中上貴晶、0.2秒差で表彰台ならず「悔しいけど、やりきった気持ちはある」

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レース後、悔しい表情をみせる中上貴晶
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  • 中上貴晶
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  • Moto2スタートシーン
  • 最終ラップの最終コーナーまでモルビデッリとバトルを繰り広げた中上

ツインリンクもてぎで行われた2016MotoGP第15戦MOTUL日本グランプリ。Moto2クラスに参戦している中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は4位に終わり、わずかの差で母国レース表彰台が叶わなかった。

今シーズンはキャリア初優勝も果たすなど、大活躍中の中上。今回の日本GPでは母国レースでの表彰台、そして優勝も期待されていた。しかし予選ではライバルの先行を許し、トップから0.5秒差の7番手。「最低でもフロントロー(最前列)につけたい」と語っていただけに、悔しい表情をみせていた。

迎えた決勝では、序盤から一気に順位を上げ2周目には3番手に浮上。そのまま前を走るトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)とフランコ・モルビデッリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)を追いかける。前半は、やや様子を伺うような形だったが、周回を重ねるにつれてモルビデッリとの距離を縮めていき、中盤には2番手も狙えるほどのポジションにつけた。

しかし13周目の3コーナーでミスをしてしまい、大きく膨らみながらカーブ。この間に背後にいたヨハン・ザルコAjo Motorsport)の先行を許し4番手へ。その後、ザルコが2番手に浮上し、表彰台をかけた争いはモルビデッリと中上の一騎打ちとなった。

常に1秒以内の接戦ではいたものの、決めてを欠く状態で残り周回数が減っていく。「何もしないまま終わりたくなかった」という中上は、残り5周を切るとさらにペースアップ。縁石いっぱいまでコースを使うライディングを披露し、モルビデッリとの距離をさらに縮めていった。

そしてファイナルラップのS字コーナー1つ目でインを突き、一瞬前に出るがモルビデッリも負けじと応戦。そのままV字コーナーまでバトルはもつれていき、インに飛び込んだ中上が先行。3番手に浮上すると、スタンドからも拍手と歓声が沸き起こった。そのままチェッカーまで行きたいところだったが、ダウンヒルストレートでモルビデッリが再び並びかけ、90度コーナーで再逆転。中上も諦めずに最終コーナーで並びかけ、またしても一瞬前に出るが、再び順位を取り戻すことができず4番手のままチェッカーフラッグ。わずか0.227秒差で母国レースでの表彰台が叶わなかった。

ピットに戻ってきた中上は「一言では言い表せないけど、今はとても悔しい」と開口一番。レースを振り返ってくれた。

「ルティとザルコは(レース)ウィークを通して、自分と比べてほんのちょっと速いのはわかっていました。好スタートを決めれて、2周目にはザルコも抜くことができましたが、1周目から高ペースだったし、それで何とか食らいついて(前のマシンと)離れないように走りました。終盤は(トップと)ペースも距離も離れていたのですが、このまま何もせずに終わったら、絶対後悔するなと思って、モルビデッリだけは(追い抜く)トライはしようと思いました」

「最後は“えいやー!”という気持ちもあったし、お互い意地を見せつけあった最後のバトルになりました。面白かったですが、競り負けた悔しさもありますし、表彰台に上がれなかった悔しさもあります。ただ、その反面でやりきったという気持ちはあります」

終始「悔しい」という言葉、思いが何度もでてきた中上だが、もちろんこのリベンジは残り3レースで果たしたいところ。「残り3戦ありますし、必ずまた勝てるように頑張ります。そして、来年は強くなって(もてぎに)戻ってきたいですし、来年は…絶対勝ちたいです」と力強くコメントした。

今週末に関しては決して上位陣の中でも優位な立場に立てる仕上がり具合ではなかったと思うが、今シーズンの流れをうまく使って、母国でのレースでいい結果を何としても残したいという強い気持ちが、走りとなって現れ、最後は4位となったが、ファンも熱狂するほど白熱したバトルが繰り広げられた。

《吉田 知弘》

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