ドイツに本拠を置く自動車部品大手、ボッシュが9月21日、ドイツで開幕したハノーバーモーターショー16(IAA商用車)で初公開した『VisionX』。自動運転による隊列走行だけでなく、先進のインテリアにも注目できる。
VisionXのダッシュボードは、状況をより掴みやすくするインテリジェントなディスプレイを目指して開発。最新のスマートフォン並みに簡単に操作できるインターフェースの実現を狙う。
ボッシュはドライバーの運転環境の改善に向けて、電子リソースマネージャーを導入。これはバックグラウンドで働き、必要最小限の情報と指示を画面に表示して、ドライバーが最大限、前方の光景に神経を集中していられるような環境を作るシステムを指す。
ボッシュによると、未来のキャビンは、バックミラーの代わりに車両後方の様子を効果的に把握するカメラとディスプレイから構成されるモニターシステムを装備することになるという。このシステムは車線変更時の視界を改善するだけでなく、死角の問題の解消にも寄与する。さらに、ナイトモードを追加し、暗がりでもドライバーの視界を改善させた。
ボッシュのマルクス・ハイン取締役は、「トラックドライバーの職場はある意味、スイッチとレバーのジャングルのようなもので、直観的な操作とはまるで無縁の世界。このことは、長距離トラックの中枢神経として働くドライバーの操作ミス増加の原因になりかねない。そこで、トラックのコクピット環境を今後、根本的に変化させていきたい」と、意欲を示している。