【アウディ A3 e-トロン 試乗】驚くほどスポーティなハイブリッドモード…片岡英明

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アウディ A3スポーツバック e-トロン
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アウディ初のプラグインハイブリッド車が『A3スポーツバック』をベースにした「e-トロン」である。1.4リットルの直噴ターボエンジンに、8.7kWhの大容量バッテリーを組み合わせ、痛快な走りと最上級の環境性能を実現した。JC08モードでのEV航続距離は52.8kmだ。実際の走行でも40kmくらいは無理なくEV走行できた。このくらいEV走行できれば、近場の通勤ならガソリンを使わなくて済む。

フォルクスワーゲンの『ゴルフGTE』と基本的なメカニズムは同じだが、走らせたときの印象は大きく違う。アウディらしい上質感は、このe-トロンでも健在だった。走行モードは4種類だ。モーター走行のEVモードでもパンチ力は鋭い。変速ショックのないシームレスな加速フィールと驚異的な静かさは快感でもある。さらに速い加速を必要とするときは、アクセルをドーンと踏み続ければいい。ガソリンエンジンが始動し、モーターとの相乗効果によって鋭い加速を引き出すことができる。

ハイブリッドモードは、日本車だとエコに振った味付けだが、アウディは違う。驚くほどスポーティな味付けなのである。システム出力は200psを超え、トルクもガソリンエンジンの3.5リットルクラスと同等だ。ターボエンジンだと踏み込んだ直後の応答レスポンスに物足りなさを感じる。が、e-トロンはモーターが瞬時に後押しするから痛快な加速を楽しむことができた。6速デュアルクラッチをベースにしたトランスミッションもいい仕上がりだ。切れ味鋭い加速を生み出し、運転するのが楽しい。

ハンドリングも軽快だ。ベース車と較べると車重は200kg近く重くなっている。だが、ハンドリングは軽やかで、舵の利きがいい。狙ったラインに難なく乗せることができ、一体感のあるコーナリングを見せつけた。そして乗り心地も驚くほどいい。価格はちょっと高いが、上質なクルマを運転している味わいのあるプラグインハイブリッド車だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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