【INDYCAR 第16戦】シモン・パジェノーが初王座獲得、有終の5勝目…琢磨は最終戦14位

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2016年のインディカー・シリーズチャンピオンに輝いたシモン・パジェノー。
  • 2016年のインディカー・シリーズチャンピオンに輝いたシモン・パジェノー。
  • #22 パジェノーは最終戦を制して今季5勝目。
  • チームクルーも懸命に#22 パジェノーを支えた。
  • #12 パワーは最終戦まで逆転王座の可能性をつないだが、マシントラブルで万事休す。
  • 最終戦決勝2位の#15 レイホール。
  • #14 佐藤琢磨は最終戦決勝14位。
  • 最終戦の表彰台。左から2位レイホール、優勝&王座のパジェノー、3位モントーヤ。
  • 苦楽をともにしたチームクルーと新王者パジェノーの記念撮影。

インディカー・シリーズは現地18日、米カリフォルニア州の常設サーキット「ソノマ・レースウェイ」で今季最終戦決勝日を迎え、シモン・パジェノーが初のシリーズチャンピオンを獲得、有終の美となる今季5勝目も飾った。佐藤琢磨は14位。

ドライバーズチャンピオン獲得の可能性を残して最終戦に臨むのは、チームペンスキー(Team Penske/エンジンはシボレー)のパジェノー(#22)とウィル・パワー(#12)の2人。予選ではペンスキー勢が1-2-3-4を占め、パジェノーがポール、パワーが4位となった。

この時点で両者のトータルポイントはパジェノーが556、パワーが512という状況になり、パジェノーは決勝で5位に入れば自力王座決定である。2年ぶり2度目の王座を狙うパワーは、少なくともパジェノーの前でゴールしないことには話が始まらない。

パジェノーは決勝スタートでもトップをキープ、その座をしっかり守って走る。パワーも1周目に3番手へと上がり、1回目のピットストップを経て2番手へ。しかし、先頭パジェノーは快調に逃げ続ける。

そして幕切れは突然に訪れた。レース中盤、パワーのマシンがスピードを失い、コース上に止まってしまったのだ。「ギヤボックスに問題が生じた。残念な結果であることは明らかだ」とレース後にパワーは語っている。牽引されてピットに戻って再走を果たすも、既に大幅な周回遅れ。仮にこの後パジェノーがストップしたとしても、自身の上位フィニッシュが絶望的な状況であり、パワー逆転王座の可能性は完全に潰えた(パワーの最終順位は20位)。

パジェノーは実質的にタイトルが確定した後もレースを支配し続け、有終の今季5勝目。パーフェクトな内容の勝利で、初王座獲得に花を添えた。

#22 パジェノーのコメント
「まだ信じられないよ。明日になれば、もっと実感が湧くのかもしれないね。今は様々な感情が溢れていて、言葉が見つからない。このようなプレッシャーのかかる状況で100パーセントのパフォーマンスを発揮できたのだから素晴らしい。本当に良かった。勝ったのは私だが、これはもちろんチーム全体としての勝利だ」

パジェノーはフランス国籍の1984年生まれ、32歳。インディカー・シリーズへの本格的な継続参戦は2012年からで、昨季より名門ペンスキーに加入。今季はシーズン序盤に3連勝を飾るなどしてタイトル争いの主導権を握り、そのまま逃げ切って初戴冠を成した。彼にとって次に実現すべき夢は、まだ勝っていないインディ500制覇ということになるだろう。来季はその夢の実現とタイトル防衛、このふたつを目指し、パジェノーは走り続ける。

最終戦の決勝上位結果は以下の通り。

2位 グレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)
3位 ファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)
4位 ライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)
5位 アレクサンダー・ロッシ(#98 Andretti Herta Autosport w/Curb-Agajanian/ホンダ)
6位 ジョセフ・ニューガーデン(#21 Ed Carpenter Racing/シボレー)

予選15位だった佐藤琢磨(#14 AJ.Foyt Racing/ホンダ)は、他陣営との戦略のズレ等でトップ10圏内を走るシーンもあったが、最終的には展開が味方してくれることもなく、予選順位とほぼ同じ14位でのフィニッシュ。今年は残念ながら表彰台なし、最高位5位という成績でシーズンを終えることになった。

#14 佐藤琢磨のコメント
「決勝に向けて用意したマシンはいいペースで走れるセッティングになっていました。スタートでポジションをいくつか上げることができたので、ピットインするタイミングを(当初予定より)少し遅らせて戦ったりもしましたが、今日はフルコースコーションの出されるタイミングが自分たちに有利なものにはなりませんでしたね」

「オーバーテイクを仕掛けるのに必要なコーナーでのスピードが少し足りませんでしたが、ターン11で他車をパスをすることはできていました。自分たちの持っている(要素の)なかではレベルの高いマシンを作ることができていたと思います」

「今シーズン、僕のチームはリザルト以上の進歩を遂げることができたと思っています。シーズン序盤のストリートレースではホンダ勢をリードする戦いを見せることもできていました。しかし、今年は表彰台に上がることができず、それはとても悔しいことですし、残念です。でも、我々は常に全力で戦っていました。今シーズンも応援ありがとうございました」

なお、シリーズランキング上位はパジェノー、パワー、エリオ・カストロネベス(#3)とペンスキー勢が1-2-3独占。4位のニューガーデンまでがシボレー勢で、ホンダ勢最上位ランカーは5位のレイホールだった。連覇を目指したスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/シボレー)は6位、琢磨は17位。

来季に向けては、ホンダとシボレーがそれぞれエンジンとともに供給しているエアロキットの開発が凍結されるなどの動きもあるインディカー。2017年シリーズは3月に開幕予定で、今季より1レース多い全17戦が予定されている。

《遠藤俊幸》

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