警官をはねて殺害した男の控訴棄却、一審の懲役17年判決を支持

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昨年3月、大阪府大阪市浪速区内で交通違反の取締りを行っていた警官をクルマではねて殺害したとして、殺人などの罪に問われた32歳の男に対する控訴審判決公判が15日、大阪高裁で開かれた。裁判所は被告の控訴を棄却。一審の懲役17年判決を支持した。

問題の事件は2015年3月12日の午後4時5分ごろ発生している。大阪市浪速区恵美須東3丁目の市道(片側1車線の直線区間)で交通違反の取締りを行っていた大阪府警・浪速署員が、右折禁止となっている交差点を右折してきた軽乗用車を発見。50歳(当時)の男性巡査部長が車道に出て停止を命じたところ、一旦停止したクルマは再発進して巡査部長に衝突。路上に転倒した巡査部長をひきずり、乗り越えるようにして逃走した。巡査部長は近くの病院へ収容されたが、腹部強打による内臓損傷などが原因で約7時間後に死亡している。

この直後、ナンバープレートの窃盗容疑に関わったとして32歳の男が逮捕されたが、後の調べでこの男が事件に関与していたことが判明。検察はこの男を殺人罪で起訴し、一審の大阪地裁は被告の「未必の殺意」を認めて裁判員裁判で懲役17年の実刑を命じていたが、弁護側は「被告に殺意は無く、傷害致死に留まる」として控訴していた。

15日に開かれた控訴審の判決公判で、大阪高裁の西田真基裁判長は「被告は被害者が死傷する危険性が高いことを認識した上で至近距離からクルマを急加速させており、ブレーキを掛けるなどの衝突回避措置を取っていない」と指摘。「未必の殺意」が生じていたことを改めて認定するととも、一審判決を支持。被告の控訴を棄却している。

《石田真一》

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