ドコモがレンタサイクルで観光振興…ローソンなどと協業

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青森市中心部のローソンに配備されたドコモ・バイクシェアのレンタサイクル
  • 青森市中心部のローソンに配備されたドコモ・バイクシェアのレンタサイクル
  • 利用方法は専用サイトにアクセスし駐輪場を検索するか自転車そのものを指定する
  • 駐輪場を検索したところ。残台数などもリアルタイムに分かる
  • 利用可能な自転車をタップするだけ。利用料金はクレジットカードもしくはdアカウントがあればドコモケータイ払いも可能
  • 決済が完了するとパスコードが表示されるこれを1時間以内に自転車に入力するとレンタル開始となる
  • 自転車に備えられているキーボードからパスコードを入力すると施錠が解除されレンタル開始となる。アンテナマークが示すようにモバイル通信機能が備えられたIoT自転車だ
  • 電動アシスト機能が備えられている
  • スマホ用クレードルもあり、マップなどを見ながら観光できる

 「シェアリングエコノミー」と呼ばれる動きが各地に見られるようになっている。モノやサービスを個人間で貸し借りしたり、企業から借りたりするスタイルだ。

 「必要なときに借りる」ものとして昔から馴染み深いのは自転車であろう。旅先などで手軽に借りて観光めぐりの行動範囲を広げてくれる「レンタサイクル」だが、シェアリングエコノミーの時代となり、そのICT化は着々と進んできている。

 レンタサイクルの貸し借りの手続きや決済、空き状況の可視化などにICTを活用するのはもちろんのこと、さらに自転車自体がIoT端末化し観光客の行動分析にまで応用が広がりつつある。2020年に向け世界からの観光客も増加の一途をたどるなか、この分野に大手企業も続々と参入の兆しがある。

■ドコモとローソンが組んで地方展開へ

 このほど、NTTドコモ、ドコモ・バイクシェア、ローソン、とまれるの4社が業務提携し、サイクルシェアリングサービスを全国に向けてスタートさせていく。提携最初の取り組みとして、23日より、青森県・岩手県にてドコモ・バイクシェアの自転車が利用できるようになった。青森県内のローソン4店舗と、両県におけるとまれる社提携の宿泊施設などで利用が可能である

 もともとドコモ・バイクシェアは東京都千代田区で提供されている「ちよくる」や、東京都港区の「港区自転車シェアリング」、兵庫県の三宮駅・元町駅周辺で提供されている「こうべリンクル」など、大都市圏でICカード(おサイフケータイ)対応のサイクルシェアリングシステムを提供してきた。

 今回の事業は、復興庁が東北への外国人旅行者の誘客につながる取り組みを支援する「新しい東北」交流拡大モデル事業の一環とし、2020年に向け増加傾向にある訪日観光客に向けた利用も想定して全国にサイクルシェアを広げていくための最初のステップとなるようだ。

 青森県内では、中心部に出店するローソン4店舗と、青森県三戸郡にあるとまれる社提携の民泊施設などの3カ所。岩手県内では16カ所となっている。利用できる自転車は、都心部ではたびたび見かけるようになった、ドコモ・バイクシェアの赤い車両である。スマートフォンまたはパソコンからドコモ・バイクシェアのウェブサイトにアクセスしレンタルの手続きをするか、店頭等で申し込みをして乗り出すことができる。自転車は電動アシスト機能付きで、またGPSおよび通信機能を備えており、サービス提供側(ドコモ・バイクシェア)は自転車の現在地のほか、走行場所などを収集している。こうしたデータは、個人情報を収集しない形で行動履歴として蓄積し、将来の観光施策に応用されていくという。

■シェアリングシステムの使い方

 では、実際にこのレンタサイクルの利用手順を見てみたい。

 まずは利用予約。パソコンまたはスマートフォンからドコモ・バイクシェアのウェブサイトにアクセスし、会員登録のうえ、予約する。利用したい自転車はサイト上から駐輪場を探して指定するか、すでに自転車のそばに居る場合は自転車書かれている「自転車番号」を入力することで予約できる。自転車にも借り出しのための説明書が備えられ、専用サイトへアクセスするためのQRコードが記載されている。

 レンタル料だが、専用サイトからの申し込みの場合、3時間プランが540円(税込)、1日プランが1,080円(税込)となっている。ただし借り出してから24時間ではなく、当日24時までを1日としている。店舗等、受付窓口で決済して借り出す場合は、施設により利用料が異なり、3時間プランで500円~800円(税込)、1日プランで1,000円~1,200円(税込)となっている。

 自転車の設置場所であるが、青森県の場合は青森市中心部にあるローソン3店舗と、弘前市にあるローソン1店舗、その他は民泊施設などとなる。ドコモ・バイクシェアによれば、ローソンに関しては観光客が多いエリアのローソン各店舗から設置の希望を募り、立地や駐車スペースなどを考慮し絞り込んだという。まずは利用動向を見るための実証事業的な位置づけとなっており、今回の青森県・岩手県である程度利用傾向を把握したうえで、国内各地の観光地などへの展開を検討していくという。

 また、ドコモおよびドコモ・バイクシェアは、自転車のほかにもさまざまな移動手段のシェアリングを考えているようで、その利用分析データを活用し、新たな付加価値サービスの創出を進めることで地域・観光の活性化に寄与していくとしている。

 外国人観光客もターゲットとしているため、専用サイトや自転車に備えられている案内等は日本語のほかに英語表記も添えられている。英語圏以外からの観光客も増えているなかで、今後はさらなる多言語化にも取り組む必要がありそうだ。また周辺の観光情報やおすすめサイクリングルートを案内も今後計画していくという。なお、青森県内の店舗では冬季期間(11月1日~3月31日)はサービスが休止となる(積雪で自転車での走行は危険を伴うため)。

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第98回 ドコモ、レンタサイクルIoTで観光振興!ローソンなどと協業

《木暮祐一@RBB TODAY》

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