【マツダ アクセラ 試乗】同乗者に絶対喜ばれる「Gベクタリングコントロール」…会田肇

試乗記 国産車
新型「アクセラ」5HB 1.5XD L Package
  • 新型「アクセラ」5HB 1.5XD L Package
  • 「Gベクタリングコントロール」の概念図。ハンドルの切れ角に応じて各車輪の駆動力を自動的に変化させる
  • 新型「アクセラ」に搭載された「SKYACTIVE-D 1.5」
  • 新型はフロントグリル周辺も陰影がよりシャープになった
  • 素材やデザインを細かく変更して質感を高めたダッシュボード周り
  • シート形状も変更。車内の広さはこのクラスとしてはもう一歩
  • インフォテイメント系も大幅に進化した
  • 新型「アクセラ」5HB 1.5XD L Packageの運転席周り

マツダは新型『アクセラ』の発表にあたって、「『ジェネレーション2』に向けて開発中の次世代技術を前倒しで採用して商品価値を高めていく」(小飼雅道社長)とした。新型アクセラに採用されたその技術の効果を試乗を通じて早速チェックしてみた。

今回の発表で最も注目されているのは「1.5リットル ディーゼルエンジン」モデルの追加だ。『CX-3』や『デミオ』に搭載されている「SKYACTIV-D 1.5リットル DOHC ディーゼル直噴ターボエンジン」が追加されたのだ。FF、CVTのみではあるが、経済性をより重視したい向きにはうれしい追加となるのは間違いない。

少し軽快に走ろうと思うと重さを感じてしまうが、市街地を流して走る程度ならパワー不足はそれほど感じない。2.2リットルディーゼルとの排気量に応じた差は歴然と存在するが、その辺を知った上で1.5リットルディーゼルを選ぶなら、それもありだと思う。

一方で、トルクの太さが魅力のディーゼルエンジンだが、「ガラガラ」とした音がどうしてもつきまとう。これを軽減する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」だ。既にCX-3やデミオに搭載されていた技術だが、新型ではディーゼルエンジン車すべてに搭載された。格上のアクセラにも搭載されることで上級車らしさを感じ取れるようになったと言える。それは走ってすぐに実感できる。エンジン音の出方がスムーズになって、ノイズレベルも明らかに低減。特に市街地走行ではそれが顕著に現れ、その分、快適度も向上している。

乗り心地でも旧型を勝っている。荒れた舗装路での違いは顕著で、旧型なら車内に入り込んでいる微振動はかなり押さえ込まれており、フラット感が高められている。乗り味そのものは、もはやひとクラス上の質感まで高められたと言っていいだろう。

もう一つの目玉技術が、アクセラにマツダ車として初めて採用された新技術「G-Vectoring Control(G ベクタリング コントロール)」だ。一言で言えば“エンジンのトルクでシャシー性能を向上させる制御技術”。ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを自動的に変化させるもので、前後左右にかかるGを統合制御する。マツダでは「特にコーナーでスムーズに曲がれることに注目して欲しい」とのことで、この日は効果が体感しやすい試乗コースも提案された。

この技術が搭載されていない旧モデルも試乗して比較してみると、その差は明らかだった。新型はコーナリングへ入るときノーズが思った方向にスッと入っていく感じ。思った通りのラインをスムーズに描けるのだ。直線路に戻った時の揺れ戻しも明らかに小さく、つい運転がうまくなったような気分になってしまう。

よく峠道を走ると、同乗者から身体が左右に振られて不快さを訴えられることがあるが、この辺りがかなり軽減されるものと思われる。ロングドライブでの疲労感の違いに差が出るのは確実だろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

会田肇|AJAJ会員
1956年・茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。大学卒業後、自動車専門誌の編集部に所属し、1986年よりフリーランスとして独立。主としてカーナビゲーションやITS分野で執筆活動を展開し、それに伴い新型車の試乗もこなす。

《会田肇》

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