飛行機に乗り遅れた!---首の皮1枚、空席待ち整理券は何枚?[記者の絶望体験]

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ANAの空席待ち整理券
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空港では、里帰りや旅行から都心へと戻るUターンラッシュ。途中のアクシデントや、空港までの渋滞などで、搭乗予定の便に乗り遅れてしまったら……。8月初旬、出発時間の11分前に保安検査場前に駆け込み、血の気が引く思いをした。

夏休みに入り、旅行客や帰省客で混雑する羽田から、午前の便で札幌へ向かう予定だった。新千歳行きANA便の出発時間の40分前に羽田に到着する空港連絡バスに乗ろうと、バスのりばに立つと、LED表示に「第2ターミナルまで110分」という赤い文字が流れていた。嫌な予感。運転手に聞くと、「首都高でクルマが横転する事故があった」と返ってきた。

この時点で、たとえぴったり110分で着いたとしても、20分前にチェックイン機前に滑りこむことになり、ANAの「保安検査場は出発時刻の15分前までに通過を」は守れそうにない。夏休みでチェックインまわりも混んでいるだろうし。

都心からはるか遠く離れた田舎に住む身、近くの駅まで走り、電車で羽田へ目指してもとうてい間に合わない。あとは祈るばかり。この高速バスに賭けて飛び乗ったが、首都高エリアで見事な渋滞にあい、ついには止まった。「もうダメだ」。

第2ターミナルにバスがタッチしたのは、出発時間の14分前。そこから老体にムチ打ってチェックイン機前まで走り、女性スタッフに声をかける。「なんとか保安検査場を通してくれないか」。もちろん、その女性からは「もう時間を過ぎている」という返事の一点張り。当たり前だ。新千歳到着後にすぐに始まる仕事と、関係者が待っている。カウンター前でうなだれ、血の気が引いた。「次の便以降の空席状況を見てみたが、どれも満席。夕方の便に2席だけ空いている」。

天を仰いだとき、スタッフが「空席待ち整理券を発行する。これを持って保安検査場へ。各便の搭乗カウンターで呼ばれるのを待って」と言い、2枚の紙片を手渡した。手元には、ANAの空席待ち整理券に加え、コードシェアするエア・ドゥ(ADO)の整理券。半ば諦めながら、もっとも直近のADO便のカウンター前に立つ。

空席待ち整理券の種別は「B」一般席。ANAでは、空席が発生すると、S→A→B→Cの順に呼ぶ。Sはダイヤモンドサービスメンバー、Aはプラチナ・ブロンズ、スーパーフライヤーズカード会員、スターアライアンスゴールド・シルバーメンバー、Bは一般、Cはそれ以外(シニア空割、スカイメイト割)。なんのメンバーでも会員でもない記者が呼ばれる可能性は、相当に低いと絶望。さらにANAの整理券種別・番号を見ると「B 15」とある。記者の前に大勢の“待ち”がいるとみて、また絶望。

新千歳側で待つ人・仕事まわりに自分の失態を伝えなければと、スマホに目をやったとき、自分の名前を呼ぶADOスタッフ。「諦めて次へ」と言われると思いきや、「出発時間です。こちらからどうぞ」と! 「満席」の文字がズラリ並んだANA・ADO便のなか、逃した便の50分後に飛ぶADO便の1席が、奇跡的に空いた……。

夏休みで混雑する空港。搭乗予定の便を逃したり、希望の便に乗れなかったときは、“首の皮一枚”ではなく、コードシェアを含む「空席待ち整理券」複数枚を。

《レスポンス編集部》

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