富士重工業は8月3日、2016年度第1四半期決算を発表した。それによると、円高やタカタ製エアバッグのリコール費用の影響で営業利益が前年同期比24.3%減の1015億円だったものの、営業利益率は13.2%と依然として高い水準だ。
前年同期の17.5%に比べると、4.3ポイントも落としているが、17.5%という数字は自動車業界では異常といっていいだろう。それはこれまで決算発表を行った自動車メーカーの数字を見れば一目瞭然だ。
スズキ7.8%、ホンダ7.7%、マツダ6.8%、日産自動車6.6%、三菱自動車1.0%で、13.2%でも同業他社よりも格段に高い数字なのだ。
「やはり一番は車の販売が着実に伸びているということ。24万5000台というのは第1四半期としては過去最高の販売台数で、北米、日本、その他地域においても販売は非常に順調に進んでいる。7月の米国の小売台数にしても、5万台を超えている」と高橋充CFOは話す。
しかも、利幅の大きい上級グレードほど売れ行きが好調なのだ。さらに、工場稼働率が平均115%と非常にタイトで、販売奨励金(インセンティブ)も米国では業界平均の5分の1ほど。それでもお客が列をなして待っているのだ。それは日本などでも同じ。文字通り、富士重は大幅減益でも販売が好調で、わが世の春を謳歌しているといった格好だ。