今年のコカ・コーラ ゼロ鈴鹿8時間耐久ロードレースで、もっとも注目を集めているライダーが、2006年のMotoGPクラスチャンピオンのニッキー・ヘイデンだ。
ヘイデンは、MotoGPルーキーイヤーの2003年に鈴鹿8耐に初参戦しているが、このときは他車から漏れたオイルに乗って2周目に転倒、残った記録はわずかに1周だった。これをヘイデンは覚えており「決勝まではすべてが順調だった。だけどレースはたった1周と少しで終わってしまったんだ。だから今回は、13年前のレースの続きを戦いに来たんだ」と語る。
そして注目された鈴鹿8耐仕様マシンのシェイクダウンだが、7月中旬のこのテストでは、不順な天候と、風邪という体調不良により本格走行とはならなかった。それでも存在感は抜群で、ヘイデンのパドックは熱心なファンによって埋め尽くされていた。
ヘイデンの本格的な激走は鈴鹿8耐ウイークに入ってからのお楽しみとなったが、このチームのエース高橋巧とマイケル・ファン・デル・マークが精力的にマシンをセットアップ。昨年、MuSASHi RT HARC-PRO.は鈴鹿8耐3連覇を逸したが、今年はそのタイトル奪回戦となる。
そして高橋巧が「マイケル選手、ヘイデン選手はスーパーバイク世界選手権ですが、自分と同じCBR1000RRで戦っているので、マシンはいい方向にセットアップが進みました」と語れば、マイケル・ファン・デル・マークも「2度も鈴鹿8耐で優勝できているけれど、このレースを走るたびに僕自身がライダーとして成長できるんだ。今年はヘイデン選手が加わったけれど、高橋選手と3人で力を合わせて、再び表彰台の頂点に立ちたいね」とコメント。
まずはヘイデンが、鈴鹿8耐ウイークの走り出しでどのようなタイムを出し、そしてタイムを詰めていくかに注目したい。そしてその激しいライディングをサーキットで確かめてほしい。