クルマを置かないVRショール―ム…タッチポイントが増える

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Mercedes-Benz Lifestyle Lounge
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メルセデス・ベンツ日本は、東京代官山にある代官山蔦屋書店内に、VR(仮想現実)などのデジタルツールを活用したバーチャルショールーム、“Mercedes-Benz Lifestyle Lounge”を9月13日までの期間限定でオープンしている。

このショールームの最大の特徴は、クルマが展示されていないことだ。ではなぜクルマのないショールームを考えたのか。メルセデス・ベンツ日本企業広報課マネージャーの河野綾さんは、「この先、徐々にクルマ社会は完全自動運転に変わりつつあり、クルマでの時間の過ごし方、クルマ自体の空間が既存の概念と変わってくるだろう。それに伴い、人々のライフスタイルなど、クルマを取り巻く様々な環境が変わると想定される」と述べる。

しかし、「自動車のショールームだけは既存のコンセプトのままというのはおかしい。そこで、アイデアのひとつとして、クルマを置かないショールームを考えた」という。

また、「他の業態が展開する店舗、例えば駅ビルの中などあまりスペースがない場所でも、クルマを紹介するタッチポイントが作れるのではないかという仮説のもとに、今回、代官山蔦屋書店内に、プロトタイプとしてVRショールームを開設した」と説明する。

河野さんによると、「我々のショールームは、大きいところでも10台くらいの展示レベルだ。そこに28車種132モデルを展開しているので、当然全部を販売店には置けない。しかしお客様からすると、自分が買おうと思っているクルマについてより深く知りたい」とジレンマを語る。そこで、「限られたスペースの中で、例えばVRなどのデジタルデバイスを利用することによって、お客様の要望に応えるべく、今後は販売店での設置も含めて、このプロトタイプから実現に向けて検討していきたい」と話す。

更に、「まずVRで仮想体験をして、実際により深く購入を検討する段階での試乗は、駐車場発着で行うことも可能なので、ショールームにクルマがある必要がない」と河野さん。ショールームのロケーションに関しても、「これまでは、クルマ通りの多い幹線道路に面し、クルマで来場しやすく、駐車可能なスペースを探して店舗を展開していた。今後は、特に都心部においては、可能性のひとつとしてデパートの一角や、おしゃれで最先端なモノ好きが集まるショッピングエリアに入ることもあるかもしれない」と今後の可能性について語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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