運行管理者試験で集団カンニング、合格取消...兵庫県

自動車 社会 社会
(イメージ)
  • (イメージ)

今年3月6日に実施された運行管理者試験(貨物)の兵庫県試験会場で、集団によるカンニング行為が発覚した。試験制度始まって以来の不正行為発覚となった。

運行管理者試験は、公益財団法人「運行管理者試験センター」が実施する国家試験。有資格者は、物流と旅客輸送における事業所内での安全運行の責任者となる。軽井沢スキーバス転落事故を受けて、同(旅客)の資格では、取得要件が厳格化された資格でもある。

試験中に受験者1人がスマートフォンを見ながら解答していたことをきっかけに不正行為が発覚した。同センターでは、解答例が外部から送信されていたことをから、不正を確認した1人ではなく、集団による不正行為の疑いがあったため兵庫県警察本部に通報。結果、受験者9人の集団によるカンニングであることが明らかになった。

運行管理者試験では、試験開始から30分経過すると途中退席が認められている。この制度を利用して、先に退席した受験者が試験会場に残っていた受験生に、スマートフォンを使って解答を送っていたとみられる。

不正行為を最初に発見された1人は、すでに失格となっている。新たにわかった8人については全員合格であったため、同センターは試験合格の取り消しを検討している。また、県警は関係者を偽計業務妨害の疑いで送検した。

20日、同センターは再発防止対策を公表。8月28日に予定される次回以降の試験から、試験監督者を増員。受験生には、試験時間内の途中退席を認めない要綱改正を行う。また規模の大きな会場では監視カメラを設置して、監督体制を強化する。さらに、これまで試験中は、通信機器の電源を切り、封筒に入れてカバンなどに収納。試験中の使用や呼び出し音を鳴らす行為は失格としてきたが、この取り扱いを、さらに厳格化。電源の状態に関わらず、封筒に入れずに使用できる場所に所持していた場合も、不正行為として失格とすることを決めた。

3月6日の運行管理者試験(貨物)は、全国で2万9520人が受験し、8583人が合格。合格率は29.1%だった。資格者への要求が強まるにつれて、試験の合格率も低下傾向にある。

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集