その音に、プロは何を見い出すのか…クラリオン「Full Digital Sound」搭載の注目デモカー2台を、徹底分析
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Clarion『Full Digital Sound』が発売開始されてから、3か月が経過した。当システムは既存のカーオーディオ愛好家を大いに刺激し、また、新たなファンの取り込みにも成功している。その注目度には未だ陰りが見られない。この新機軸システムの魅力の神髄は何なのか…。
そこのところを探るべく、2台のデモカーを取材した。1台は、茨城県の老舗プロショップ、“SOUND WAVE(サウンドウェーブ)”の「TOYOTA・bB」、そしてもう1台が島根県の人気店“Jclub (ジェイクラブ)”の「BMW・E60」。これらは、全国に数ある『Full Digital Sound』デモカーの中でも、特に異彩を放つ注目すべき2台である。実力ショップならではのコダワリが注入された、ユニークな仕様を携えているのだ…。
そして改めて、Clarion『Full Digital Sound』の底力も思い知ることができた。これまでにも何台となくこれを搭載したデモカー、ユーザーカーを聴いてきたが、毎回新たな魅力を発見できる。この革新のカーオーディオシステムは、当初に感じた実力以上のものを持っているのかもしれない…。
さて最後に、同店店長の根本さんに、『Full Digital Sound』の可能性についてお訊きした。
「ある程度の予算内でシステムを完結させたい、その中で最高の結果(音質)を得たい、という方にとって、『Full Digital Sound』は有力な候補になり得ると思っています。パワーアンプとケーブルに予算を食われず、その分インストールに手をかけられますから、非常にリーズナブルにハイクオリティなサウンドを手にできるんです。それでいて、ハイグレードなパワーアンプを使うシステムと比べて1/10程度の電力ですむんですよ。Clarion『Full Digital Sound』はこれからのカーオーディオシステムとして、大いに存在感を発揮していくと思います」
■アナログ出力を活用して、“デジタル+アナログ”の3ウェイシステムにトライ!
続いては、島根県の“Jclub”が製作したデモカー「BMW・E60」をご紹介していこう。こちらはなんと、『Full Digital Sound』にアナログスピーカーを組み込んでのフロント3ウェイを実現している。『Full Digital Sound』にはアナログ出力が1系統備えられているのだが、それを利用した、初めてのデモカーではないだろうか。
それをしている狙いはズバリ、“さらなる情報量の確保”である。3ウェイと2ウェイを比較したとき、単純に、中域の情報量の確保に関しては3ウェイに分がある。その利点を取り入れて『Full Digital Sound』がどのような化学変化を起こすのか…。この革新のカーオーディオシステムの可能性のすべてを試そうとしているのである。
ちなみに当デモカーでは、ミッドレンジの有る無しを聴き比べることが可能だ。純『Full Digital Sound』と、トライアル『Full Digital Sound』の両方を体験できる。
ステージの再現性も、『Full Digital Sound』ならではの正確さだ。3ウェイによる豊富な情報量を背景にして、立体感と定位感を原音に忠実に表現してみせている。
なお、組み入れられたミッドレンジは、主張し過ぎることなく、システムの中でスムーズな繋がりを見せていた。『Full Digital Sound』とアナログスピーカーは共存できる…。そのことをこのデモカーは証明している。アナログスピーカーの組み入れはアリだ。『Full Digital Sound』にはこういう楽しみ方もある。
“Jclub”の大田さんにはさらに、『Full Digital Sound』の印象と、これならではのメリットについてもお訊きした。
これをきっかけに、新たなカーオーディオ・ファンが増えてほしいと思っています。その可能性も大いに感じていますし、『Full Digital Sound』には相当期待しています」
『Full Digital Sound』に興味を持ちながらも、まだその音を耳にしたことがないというのなら、ClarionのHP内にある「Full Digital Sound Special Contents」の中の“Full Digital Sound 地域別取扱・販売店リスト”をチェックしよう。その中からお近くの、デモカー、もしくは試聴機のあるショップを探して、サウンドを体験しに行ってはいかがだろうか。