【GTアジア】存在感増すシリーズ…ベントレーを駆り澤圭太選手が参戦中

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
澤圭太選手とJ.ベンター選手の#8 ベントレー・コンチネンタル GT3。
  • 澤圭太選手とJ.ベンター選手の#8 ベントレー・コンチネンタル GT3。
  • ベントレーでGTアジアを戦っている澤圭太選手。
  • ベントレー・チーム・アブソリュートのピット。
  • ベントレー・チーム・アブソリュートのマシン。
  • ベントレー・チーム・アブソリュートのマシン(#8)。
  • ベントレー・チーム・アブソリュートのマシン(#9)。
  • 富士戦のベントレー・ホスピタリティルームでトークショーに臨んだベンター選手と澤選手。
  • 富士戦のベントレー・ホスピタリティルームでトークショーに臨んだベンター選手と澤選手。

近年、競技レベル上昇とともに注目度も上がってきているレースシリーズ「GTアジア」。その今季第7&8戦が7月15~17日、富士スピードウェイにて開催された。ベントレーを駆って参戦中の澤圭太選手に、シリーズの現況等について聞く。

GTアジアとは文字通り、アジアを転戦するGTカーのレースシリーズ。いろいろな変遷を経つつ現在の形態に進化してきたといえるが、今はSUPER GTのGT300クラスなどと同様、「FIA-GT3」という国際的な車両規則がシリーズの根幹となっている。各大会2レース制で、今季は韓国、タイ、日本、中国で計6大会を開催中だ(スーパーフォーミュラとの併催だった富士戦は今季第4大会)。

この8月で40歳になる澤圭太(さわけいた)選手は、国内外での豊富なキャリアを誇るベテランレーシングドライバー。特にアジア地域におけるハコ車の上位レースにおける活躍が顕著で、現在のGTアジアにも「レギュラードライバーとしては14年からの参戦で、昨年、今年とベントレーをドライブしています」。今季のGTアジアでは唯一の日本人レギュラードライバーである。

「もともとはクラブマンレース的に始まったGTアジアですが、GT3マシンで本格的に戦われるようになり、レベルも注目度も上がってきていると思います。GT3マシンをつくっている欧州メーカーにとって、アジアのマーケットは大きいですからね。そういう面もあって、参戦ドライバーやチームのレベルが上がりましたし、レースの仕組みという部分でも、今すごく機能してきています」

澤選手が言うように、GTアジアのレベルアップは顕著だ。ずいぶん前から日本のビッグレースとの併催はあったが、当時はまさしくクラブマンレース的な雰囲気が強かった。だが今は、見た目にも違う。「プロドライバーには(現在の欧州トップシリーズである)ブランパンやWEC(世界耐久選手権)に出ている選手もいますし、アマのほうもプロの1~2秒落ちで走れる選手が増えてきていますからね」。

ということで、万事につけ上昇気流に乗っているGTアジアだが、そこに参戦しているのがベントレーである。「コンチネンタル GT3」の3台体制で「ベントレー・チーム・アブソリュート」が戦っており、澤選手はオーストラリアのジョナサン・ベンター選手と組んでカーナンバー8のマシンをドライブしている。

「アブソリュートのスタッフは欧州系の人が多く、中国でレースビジネスを始めた人たちが母体です。今は上海をメインに、珠海(ズーハイ/中国)とセパン(マレーシア)にもガレージがある。(日本を除く)アジアでは1、2を争うレーシングチームだと思います」

さて、ベントレーというブランドについては、一般にあまりレースイメージは高くないかもしれない。実はルマン24時間レースで総合優勝6回という実績があり、2003年という比較的最近にも優勝しているなど、ベントレーは生来、レースとは縁深いブランドだ。ただ、そうは言ってもベントレーの市販車のオーナーやファンは、なかなかそこまでは知らないだろう。だが澤選手の話を聞くと、徐々に“レースのベントレー”は日本でも浸透してきているようだ。

「確かにレースのイメージはあまりないでしょうし、ベントレーを所有する層の方々がレースに興味があるかどうかは僕も分からなかったんですが、こうして(今回の富士戦のように)ホスピタリティに来ていただくと、すごく楽しんでもらえているんです。ベントレー モーターズ ジャパンとしても当初の予想以上だったみたいですが、こういうマーケティングとモータースポーツのリンクはとてもいいことですよね」

日本発ではない国際シリーズへの参戦ということで、ベントレー モーターズ ジャパンにとっては他のインポーターのGT3レース活動との差別化もうまく図れている、そういうメリットもあるものとみられる。

澤選手やベントレーの活躍とともに、日本での存在感も大きくなってきているGTアジア。今季の日本ラウンドは岡山、富士とすでに終了しているが、来季以降も一層の盛り上がりが望めそうだ。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集