リンクスは、カナダの LMI Technologies社「Gocatorシリーズ」を展示。「クルマや鉄道から、食肉にまで入り込むGocator。今回は、世界の自動車メーカーで使われている3次元スマートセンサーを、実際にタイヤの3Dスキャンで見せている」と担当者はいう。
Gocatorは、本体にWebサーバーを積むことで、LANケーブルでPCと接続するだけでブラウザー上で設定・画像処理などのプログラミングを実行できるオールインワン3次元スマートセンサー。本体のみで3次元サイズ測定や画像処理、合否判定などが行える。
自動車業界では、ボルボやメルセデス、BMW、アウディ、クライスラー、ホンダらが製造ラインなどで導入。これまで抜き取りチェックなどで実施していた検査を、全数検査に変えた担い手ともいわれている。
「これまで自動車部品メーカーなども抜き取り検査してきたものを、全数検査したいという。抜き取りの時代は、接触型で、1個の部品を数時間かけて検査して『このロットはだいがいOK』という感覚で検査していた。今後は、こうしたセンサーで、非接触で全数検査できるようになる」(同)
同社ブースでは、回転するタイヤの表面を可視化するデモを展示。2Dと3D、秒間最高5000回という高速リアルタイム計測で、あらゆる方向からの視点で表面をチェックできる。
「たとえばドアとドアの継ぎ目のチェック。クルマの製造工程で、まずホワイトボディで表面を計測。塗装や内装付けなどのときに、ドアを再び外すときがあり、初期の計測値とズレてくる。いまは最終過程でつじつまあわせして表面を整えているが、この3Dセンサーで、どの工程でズレが発生したかも記録・確認できる。熟練工の経験と手の感覚でチェックしていた微細なズレを、数値化して追いかけることができる」(同)
また、鉄道分野ではパンタグラフやレールの接触面の計測で導入されている。「車庫にゆっくり入る車両を、上からレーザーをあてて、パンタグラフすり面の磨耗や劣化をチェックする。すでに国内の鉄道関係会社への導入も始まっている」という。
モビリティ・運輸以外にもGocatorが入り込む。担当者は「肉のある部位が流れるラインでは、このGocatorが体積を図り、刃を入れる部分を瞬時に指示。同じ重量のブロック肉がラインで量産できる。非接触なので、衛生面での向上も貢献する」と話していた。