トーヨータイヤ、体感イベント開催…一般ユーザーが比較試走「違いわかった」

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トーヨータイヤ主催の「トランパス体感試走会」
  • トーヨータイヤ主催の「トランパス体感試走会」
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  • トーヨータイヤ主催の「トランパス体感試走会」
  • 2台のノア、タントで、「トランパス ML」と「トランパス LuK」を試走。スタンダードタイヤと履き比べる
  • 2台のノア、タントで、「トランパス ML」と「トランパス LuK」を試走。スタンダードタイヤと履き比べる
  • トーヨータイヤ「トランパス ML」と「トランパス LuK」
  • 栗原利弘さん
  • 山崎広迪さん

6月4日、初夏を思わせる強い陽射しの下、埼玉県の桶川スポーツランドにてトーヨータイヤ主催の「トランパス体感試走会」が開催された。

◆48名の枠に数十倍もの応募が

今回のイベントは、トーヨータイヤの最新モデルとスタンダードモデルをサーキットなどのクローズドコースで履き比べるというもの。メディア向けの比較試走会は、これまでも存在したが、一般ユーザー向けというのは、トーヨータイヤとしても、初めてだという。

開催は、東名阪の3カ所。第1回が5月14日に三重県鈴鹿ツインサーキット、第2回が6月4日の埼玉県の桶川スポーツランド、第3回が7月29日に大阪の舞浜スポーツアイランドで行われる(第3回は7月12日までトーヨータイヤのHPにて募集中)。参加枠はわずか、参加費無料ということもあって応募が殺到。第2回開催の桶川では、48名の参加枠に数十倍もの応募があったという。

◆タイヤの乗り味を知るにはスピードを抑えることが重要

体験試走会は、「座学での製品説明」「座学での試走ポイントのアドバイス」「同乗での試走」「自身の運転による試走」という流れで実施された。アドバイザー&試走のドライバーとして、モータージャーナリストの斎藤聡氏、竹岡圭氏、藤島知子氏の3名も参加した。

比較タイヤは最新モデルとして「トランパス ML」と「トランパス LuK」、スタンダードとして用意されたのが「ナノエナジー3」と「ナノエナジー3プラス」だ。

「トランパス ML」は、6月に販売が開始されたばかりのミドルクラスの上級ミニバン向けのタイヤで「しっかりタイヤ」がコンセプト。「フラつき低減とロングライフを実現」「低燃費性能を向上(ラベリング性能AA-b)」「スタイリッシュなパターンデザイン」という3つの特徴を持つ。また、「トランパス LuK」は軽自動車向け。「ハイトワゴンのフラつき抑制」「摩耗を抑制したロングライフ」「ノイズを低減した上質な乗り心地」という特徴を備えるという。

試走を前にモータージャーナリストの斎藤氏からは「タイヤの特性を感じるにはスピードが重要です。限界近くまで攻めてしまうと、乗り味が分かりません。限界の8割くらいのスピードでコーナーを走るようにしてください。またステアリングはなるべくゆっくりとスムーズに切る。ギュッと握りしめるのではなく、タイヤからのキックバックを感じられるように、ゆでタマゴを握るつもりで。曲がるときにタイヤがつぶれるフィールを感じてほしいですね」というアドバイスが。藤島氏からも「ここはサーキットですけれど、試走は一般道をイメージしてください。信号からのスタートや高速のジャンクションのコーナーなどを走っていると思うと、普段との違いでタイヤの感じが分かると思います」とも。

講義の後は試走だ。車両は、「ナノエナジー3プラス」と「トランパスML」を装着したトヨタ『ノア』。「ナノエナジー3」と「トランパス LuK」を装着したダイハツ『タント』である。最初に「ナノエナジー3」もしくは「ナノエナジー3プラス」を装着した車両に同乗し、コースを2周走行。続いて、同じ車両を自らハンドルを握って2周。その後、「トランパスML」もしくは「トランパス LuK」を装着した車両に移動して、後席の同乗2周、自らの運転で2周を行う。ミニバンと軽自動車で、それぞれ最新タイヤとスタンダードタイヤを同じだけ周回するというメニューである。

◆ハッキリとした違いを誰もが感じ取ることができた様子

それでは、実際に参加した人は、どのような感想を抱いたのだろうか?

「普段は『アルファード』に乗っていて、そのフィーリングはスタンダードのナノエナジー3プラスに似ています。それに比べてトランパスMLは、曲がるときにグニャっという怖い感じがまったくしませんね。剛性感というか、しっかり感があります。コーナーのきついところでも舵角が少なくて、スムーズに曲がる。まるでスポーツタイヤに履き替えたようなイメージです。ものすごくいいですね」とは埼玉県の栗原利弘さん。

「後の席でも、はっきりと差がありました。横に振られる感じがぜんぜん違います。トランパスMLは、フラつかないんですよ。それと、音が静かというか、音程が低いように感じました。自分が運転してみると、ハンドルを握ったところから、すぐにしっかり感が伝わってきました。段差を越えるときのショックも柔らかい。低速域でわかるから、僕よりも妻が乗ったほうが違いを分かったかもしれません。きっと感動も大きいだろうな」とは山崎広迪さん。愛車はトヨタのノアだという。

「楽しかったです! タイヤでぜんぜん違ってしまうんですね。トランパスLuKは、自分の運転がうまくなったように感じます。スタンダードタイヤだと外に膨らんで、思うように曲がれませんでした。自分の下手さ加減が出てしまったようですね。でも、トランパスLuKなら、ハンドルをそんなに切らなくても曲がってくれました。今日はタイヤの開発者の話も聞けておもしろかったですね。そんな風にするんだ…と。真面目に作っているんだなと思いました」と白石明美さん。

「走りだすとすぐに(コースに)デコボコがあるんですよ。そこから違いましたね。スタンダードタイヤはうるさい。ああ、トランパスLuKは静かだなあと。速いところの違いはあまり感じませんでしたけれど、スラロームはロールがなくて運転しやすかったですね。直進安定性もいいし、乗り心地もよかった。スピードを出していても、たいしてハンドルを切らなくても曲がれてしまいます。今日で、トーヨータイヤのイメージが変わりました。今までは、まずはブリヂストンとかヨコハマって思っていましたからね。タイヤって買うときにカタログを見るか、店員に聞くかしかないですからね。自分で試せるっていう、このイベントはいいですね」とは『ヴェルファイア』に乗る大久保守彦さんだ。

何人かに話を聞いてみたが、どの参加者もクルマへの関心は相当に高いようだった。試走を楽しむだけでなく、積極的にトーヨータイヤのスタッフやモータージャーナリストたちに質問を投げかけており、熱いタイヤ談義があちこちで繰り広げられていた。

《鈴木ケンイチ》

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