フロントスピーカーの「鳴らし方」考察 パート3…まとまりやすさの「2ウェイ」

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ビーウィズ・Accurate lll
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フロントスピーカーの鳴らし方について、システムレイアウト的な観点から考察している。前回までは、“パッシブ”と“アクティブ”、それぞれの利点について考えた。今週からは“2ウェイ”と“3ウェイ”、それぞれのメリットを検証していく。

■もろもろを合理的に行えることが“2ウェイ”の利点。

まず今週は、“2ウェイ”について考えていこうと思う。早速、本題に入りたい。“3ウェイ”に対する“2ウェイ”のメリットとは…。

真っ先に挙げるべきは、「サウンドのまとまりやすさ」だろう。“3ウェイ”にもさまざまなメリットがあるのだが、ユニットが1つ増えることで、もろもろが複雑化することは事実だ。すべてを的確にコントロールできれば良いのだが、これがなかなかに難しい。それに対して“2ウェイ”は、状況がよりシンプルなので、サウンドチューニングをするときにも押さえるべきポイントが限られる。サウンドを無難にまとめやすいのである。

続いて2つ目のメリットは、「取り付けがしやすい」ことだ。もちろん、手をかけようと思えばいくらでも凝ることは可能だが、シンプルにすまそうとすれば、より合理的なやり方を選択することも可能だ。トゥイーターをダッシュボード上にポンと置くようなスタイルも選択可能なのである。しかし“3ウェイ”では、一部の特殊な製品を除き、トゥイーターとミッドレンジの両方をダッシュボード上にポンと置くことは不可能だ。なんらかのカスタムインストールが必須となるのである。

そして3つ目のメリットは、「費用を押さえられる」ことだ。高級な2ウェイスピーカーもたくさんあるが、同一メーカーの同一シリーズ内であれば、一般的には“2ウェイ”のほうがリーズナブルである。さらには、マルチアンプシステムを組む場合ならば、パワーアンプのch数も少なくてすむ。これに付随して、ケーブルの本数も少なくてすむ。さらにはインストール費用も抑えられる。トータルで考えると、相当な差となる場合もあるだろう。“2ウェイ”はもろもろが合理的なのだ。

■“2ウェイ”であることにこだわりを持つスピーカーの特長を考察すると…。

ところで、世の中のカースピーカーの中には、“2ウェイ”であることに、こだわりを持っているスピーカーがいくつかある。

2つのブランドを取り上げ、それぞれのスピーカーの特長を考察してみる。そうすることで、“2ウェイ”の特長がさらに浮き彫りになるかもしれない…。

1つ目は「ダイヤトーン」。ダイヤトーンのラインナップには“3ウェイ”が存在していない。

さて、現行モデルである『DS-G500』と『DS-G20』には、いくつかの特長があるのだが、ここで注目したいのは、トゥイーターとミッドウーファーの振動板素材が“同一”であることだ。

使われている、「ダイヤトーン」が独自に開発した振動板素材『NCV』は、スピーカーの振動板素材としての理想的な特長を持っているのだが、さらには周波数特性も相当に広く、また、サイズや形状の自由度も高いという特長までもを併せ持つ。結果、ミッドウーファーにもトゥイーターにも同じ振動板素材を使うことが可能となった。

これにより、トゥイーターとミッドウーファーの音色が同一となり、サウンドの一体感の高さを発揮することができている。

もう1つ、「ビーウィズ」のスピーカーにもスポットを当ててみたい。「ビーウィズ」もフロントスピーカーに、“3ウェイ”のラインナップを持たないブランドである。

「ビーウィズ」はスピーカー開発において、“同一素材”&“同一構造”にこだわりを持っている。これもまさに、サウンドの一体感を重んじているからだ。

これらのように、“サウンドの一体感”にこだわりを持つスピーカーは、“2ウェイ”であることにもこだわりを持っている傾向が伺えるのである。裏返して考えると、“2ウェイ”が“サウンドの一体感”を出しやすいシステムである、ということでもあるのだ。

いかがだったろうか。多少強引な推察と言えなくもないが、“2ウェイ”には、「音のまとまりが良い」という利点があることは事実だ。“2ウェイ”システムで良いサウンドを作っていこうとするときには、「音のまとまりの良さ」を伸ばしていくと、好結果が得られやすい。ご参考にしていただきたい。

“パッシブ”か“アクティブ”か、“2ウェイ”か“3ウェイ”か。フロントスピーカーの『鳴らし方』大研究! Part.3「2ウェイ」

《太田祥三》

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