【スーパーフォーミュラ 第2戦】決勝は実質無競争決着…雨を願った可夢偉、「願いが効き過ぎました」

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#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)
  • #8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)
  • #8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)
  • 第2戦岡山はセーフティカー先導スタートに。
  • レースはSCランのまま、実質8周で終了した。
  • 今季は可夢偉にとって厳しい展開が続いている。
  • 可夢偉の捲土重来に期待したい。
  • 第2戦優勝は#1 石浦宏明。
  • #37 中嶋一貴もまさかの2戦連続ノーポイントからの巻き返しを狙う。

29日に決勝日を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第2戦岡山。レースは荒天によりセーフティカー先導走行だけで決着し、雨での逆襲を狙った小林可夢偉にとっては「願いが効き過ぎました」というかたちの一戦でもあった。

前日、ドライコンディションでの予選ではアタックラップでタイヤをしっかり発動させられない状況に陥り、昨年のSF参戦開始以来初のQ1落ち(17位)を喫してしまった#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)。今季から導入されたヨコハマ製のワンメイクタイヤは、短い開発期間であったにも関わらずラップタイム水準的には前年までのタイヤとほとんど変わらない高性能を発揮しているが、その“取り扱い方法”については、まだまだ参戦各陣営が正解を模索中というところ。そのなかで可夢偉は今回特にハマってしまった。

今回の予選での状況は「史上最強に良くない」というもの。もちろん原因については次戦までにチームとともにしっかり究明、対策を施してくるだろうが、可夢偉以外にも過去のチャンピオン経験者や実力者たちにハマり気味な傾向が散見されるところを見ると、タイヤ銘柄変更の影響は予想以上に大きく、今季しばらくは混沌が続きそうな雰囲気もある。

開幕戦鈴鹿では13年王者の#16 山本尚貴(TEAM 無限/ホンダ)、そして第2戦岡山では昨季王者の#1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)がそれぞれポール・トゥ・ウインで勝って、バタバタはしつつもさすがの力量を示しているが、彼らとて今季公式合同テスト未実施の他サーキットでこのまま好調を再現できる保証は(現段階では)ないはずだ。逆にいえば、可夢偉にも逆襲のチャンスは残されていることになる。

さて、岡山戦決勝に向けて可夢偉は「明日は雨です。雨なら勝ちも見えてます」と、雨中バトルでの急浮上を狙っていた。実際に雨は降ったが、あまりにも強い雨でセーフティカー(SC)先導の隊列走行実質8周で終了という無競争決着のかたちに。SCラン中も燃費を巡る戦略的駆け引きこそあったが、戦えずに終わったレースに、可夢偉からは「願いが効き過ぎました」という冗談もレース後には飛び出した(ステアリング関連の配線トラブルもあり、決勝結果は18位)。

今季は開幕から2戦、可夢偉には厳しい展開となっているが、決して下を向かないのが小林可夢偉というドライバーである。セッティング面では次戦富士以降に向け、大きく「方向性を変えます」という決断を下した。「タイヤとのマッチングはできているつもりだったんですけど、今回、そうではないことがわかったので」。

彼のマシンづくりの能力には、今季からトヨタワークスで実戦参戦しているWEC(世界耐久選手権)のLMP1-Hクラスにおいても、同ワークスのエンジニアが高く評価している。SFでもそれを発揮し、名門TEAM LEMANSの面々と早期にポテンシャルアップを果たしてほしい。

SF第3戦は少し長めのインターバルを挟んだのち、7月16~17日に富士スピードウェイで開催される。可夢偉、そしてやはり開幕2戦連続まさかの無得点から挽回を図る12&14年王者#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)にとっては重要な位置付けの一戦だ。そして彼らには、その前に6月18~19日決勝のルマン24時間レース(WEC第3戦)でのフランス・サルトサーキットからの朗報、こちらにも期待したい(WECで一貴はトヨタの#5を、可夢偉は#6をドライブする)。

《遠藤俊幸》

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