BASFは最新のカラートレンドを発表した。今回のコンセプトは“PARALLAX(多面的な視点)”だ。このテーマをもとに、世界共通のカラートレンドと、アジア・パシフィック、欧州、北米それぞれのカラートレンドを予測。欧州のテーマはAFTER HASHTAG-バーチャルからリアルへ-。北米はNO EXCUSE-行動あるのみ-だ。
まず欧州のテーマ、AFTER HASHTAG-バーチャルからリアルへ-について、BASFジャパンコーティングス事業部カラーデザインセンターアジア・パシフィックチーフデザイナーの松原千春さんは、「ツイッターの後ろにハッシュタグを入れることを表現。その意味はデジタル社会やデジタルコミュニケーションの後には何が来るのかということだ」という。
「デジタルは大事な要素ではあるが、それ一辺倒ではなく、その反対のリアルな経験もある。例えば、カルチャーにしても新しいトレンドにしても、パソコンなどの中で発生するだけではなく、ストリートからも出てくる」と松原さん。つまりデジタルを経験しつつも、原点に帰ることで、「フィジカルに生まれてくるものに回帰するというのが欧州からのテーマだ」という。
そのカラーは赤がテーマになっている。「例えばグレーであっても赤い粒子感が見て取れる。これは血の意味だ。現在移民の問題等あり、自分のアイデンティティとは何か、自分のオリジナルのルーツは何かを考えた結果だ」と述べる。血は自分のファミリーの歴史であり、自分自身のアイデンティティを指すことから赤がテーマに選ばれた。
アメリカはNO EXCUSE-行動あるのみ-。「言い訳はしないで行動あるのみ。まさにこのテーマは今の大統領の候補者を表している」と松原さん。「(発言が)いかにも実行してくれそうな、みんなの願望を集めて支持されている。今の状況を変えて欲しいという国民の気持ちが反映されているような候補者選びで、このテーマともあっている」。経済的に少し回復してきているアメリカだが、「今の状況はこのままではだめだ、変えていかなければというところがコンセプトになっている」とした。
松原さんはこのテーマのカラーとして、「混沌とした欧州では移民の問題や、またパナマ文書が出るなど、様々な社会、グローバルな市場で多くの問題が噴出している。そこからアメリカは脱却したいという気持ちが表れている」ことから、「かなり強めの色が出ている。変えていくエネルギー、行動するエネルギーが表現されている」と語った。