東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構は、宇宙の加速膨張の謎に迫るため、すばる望遠鏡を用いて遠方宇宙(130億光年)にある約3000個の銀河の距離を測定し、立体地図を作成した。
同機構の奧村哲平特任研究員と日影千秋特任助教などによる国際研究グループは、すばる望遠鏡を用いた「ファストサウンド」という銀河サーベイにより、平均130億光年もの遠距離にある約3000個もの銀河までの距離に基づく宇宙3次元地図を完成させた。
さらに地図中での銀河の運動を詳しく調べ、重力によって大規模構造が成長していく速度の測定に初めて成功した。その上で、遠方宇宙でも構造形成速度がアインシュタインの一般相対性理論の予想と一致することを確認した。
今回の結果は、一般相対性理論は正しく、アインシュタインが導入した宇宙定数により宇宙の加速膨張が起きているという説を支持するものとしている。
研究成果は日本天文学会の発行するPublications of the Astronomical Society of Japan(欧文研究報告)のオンライン版に掲載された。