始まって以来の“大変革”…新型 カロッツェリア サイバーナビ 発表

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新型「サイバーナビ」は車種専用ナビへ参入。写真はアルファード/ヴェルファイア用
  • 新型「サイバーナビ」は車種専用ナビへ参入。写真はアルファード/ヴェルファイア用
  • 新型「サイバーナビ」発表会
  • パイオニア株式会社 常務執行役員 大舘諭氏
  • 「ベルサール秋葉原」B1ホールに並べられた新型「サイバーナビ」
  • 車種専用ナビは人気ミニバンを対象に用意された
  • 広い会場に多くのデモカーが展示された
  • 中心的存在となる7V型ワイドモデル
  • パイオニアのカーナビ第1号モデル「AVIC-1」。1990年に登場した

パイオニアは5月10日、「カロッツェリア」の最上位モデル『サイバーナビ』の新製品発表会を東京・秋葉原の「ベルサール秋葉原」で開催した。サイバーナビのフルモデルチェンジは3年ぶりのことで、同時にカロッツェリア誕生30周年の記念すべきデビューともなった。

新型サイバーナビのテーマは“すべてを一新する”ということ。そこには「最先端テクノロジーとネットワーク連携により、先進のカーライフを実現」するという大きなテーマがあった。そのために、システムを構成するプラットホームを一からやり直し、ハードウェアやOS、マップ、インターフェイスに至るすべてを一新。まさにサイバーナビ始まって以来の“大変革”が行われたと言っていいだろう。

◆カロッツェリア30周年、新型「サイバーナビ」はそれを記念して誕生した

発表会でまず挨拶に立ったのはパイオニア 常務執行役員 大舘 諭氏。カロッツェリアが誕生した1986年以来、常に高いシェアを確保してきた実績からトップブランドとなって30周年を迎えたことを紹介。その中で「サイバーナビは1990年のカーナビ・AVIC-1誕生以来、弊社の高い技術開発力とユニークな発想から常に先進価値を提供し続け、カーナビの歴史を切り開いて来た」と述べ、それが「スマートループ」や「ARスカウターモード」「ミュージッククルーズ チャンネル」といった独自機能につながったと説明した。

その上で、「新型サイバーナビは、これまで培って来たそれらの実績すべてを注ぎ込み、従来とはまったく次元が違う進化を遂げた。それは独自の運転支援技術によってドライバーに対するリスクを注意喚起する安心安全機能を、市販カーエレ商品としては初めて搭載することにつながった。これぞサイバーナビ、これぞカーナビという驚きと感動を感じてもらえるはずだ」(大舘氏)と述べた。その後、セクションごとに担当者が新型サイバーナビの具体的な紹介を行った。

◆CPUの処理能力は従来比3倍以上。圧倒的美しさのXGAモニター採用

新型サイバーナビの概要説明とユーザーインターフェース、先進ネットワークの説明を行ったのは、同社市販企画部 マルチメディア企画1課 堀之内光氏だ。堀内氏はその中で、「単に高速なだけでなく、なめらかで使っていて心地がよい操作性を追及」し、そのために「CPUやメモリ、ストレージなどハードウェア以外にOSも含めた刷新を独自技術で行った」と説明。特にCPUの処理能力は従来比3倍以上となったことも強調した。

新デバイスとしては、10V型モデルに「圧倒的に美しい描写を可能にした高精細ワイドXGAモニタ&静電容量タッチパネルを採用」(堀内氏)し、スマートフォン並みの使い心地を実現する「静電容量式タッチパネル」や、「Wi-Fiモジュール」、低消費電力規格にも対応する「Bluetooth Smart」の採用を紹介した。

◆「カロッツェリアX」から受け継いだノウハウが驚きの高音質を実現

オーディオ&ビジュアル機能の説明したのは、同社市販企画部 マルチメディア企画1課 橋本岳樹氏。最大のポイントは「カロッツェリアXで培ってきたノウハウをもとにすべてを徹底的に見直して驚くほどの高音質を実現した」ことで、それは「サイバーナビ史上最高音質」の実現につながったという。その実現のために、ナビゲーション基盤とオーディオ基盤を独立して構成したほか、音質の核となるDSPをフルカスタムで開発。これにより、「カロッツェリアXから受け継いだノウハウを取り入れたことで、驚くほどの高音質化が実現できた」(橋本氏)という。

また、ミュージッククルーズ チャンネルは引き続き採用。新機能として、日時や目的地、自車位置、高速道など、クルマが置かれているドライブシーンに応じてオススメのチャンネルを提案。これが「よりドライブしたくなる仕様へと進化した」(橋本氏)という。さらに、前後席で別々のコンテンツを楽しめる「リアセパレートモード」を搭載し、「同乗者全員が楽しめるカーエンターテインメントを実現できた」(橋本氏)とも説明した。

◆常に先進を行くサイバーナビらしい提案。市販ナビ唯一の「先進運転支援機能」

最後に、新型サイバーナビの画像処理技術を使った先進運転支援機能について説明したのが、同社市販企画部 マルチメディア企画1課 内田有喜氏。

サイバーナビは2010年より「ARスカウター」で画像認識を活用していたが、新型では新たに「マルチドライブ アシストユニット(MAユニット)」を用意して対応することになった。MAユニットでは、新たに車間距離と車間時間を推定し、ターゲットスコープのサイズや色を車間距離に応じて変化させる機能を追加。さらに車間が短くなると音と画面表示で警告を行なう「前方車両接近警告」も採用した。他にも「右折時のつられ発進検知」や「レーンキープサポート」の対応を一般道まで広げて対応を果たしているという。

ドライブレコーダーと通信とを合わせて実現した新機能が「ライブカーセキュリティ」だ。「衝撃」と「音圧」、「電圧」の3つのセンサーによって自車へのリスクを感知し、前方カメラと車室内カメラでその状況を動画と静止画で撮影。その状況は自動的に登録先へ通信モジュール経由でメール送信される仕組みとなっている。また、新型サイバーナビでは、ルート探索をサーバー側で行うことで、よりユーザーフィットに近づけたルートガイドが可能になる。

ラインナップには7V型モニターを搭載した200mmワイドと180mmモデルを軸に、8V型ラージサイズ、車種専用10V型の計4タイプを用意した。なお、MAユニットの発売と、それに合わせたセットモデルの追加。さらにサーバー側で行うルート探索については今秋以降の対応となる。

《会田肇》

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