長引く熊本地震の揺れが、各社の生産体制に影響を拡げている。ホンダ熊本製作所(大津町)は、22日までの稼働停止を決めた。その最大きな理由を、同社広報担当者はこう語った。
「余震の多さです」
14日の地震が21時26分から5日目、熊本地震の活動は衰える様子がない。18日20時41分頃にもM5.8、熊本県と大分県の県境付近にある産山村で最大震度5強の揺れを観測した。熊本製作所のある大津町も震度4を記録した。18日21時現在で震度1以上を観測する地震は554回に上っている。
「製作所内だけでも、生産で使用する大量の水は地下水を利用している。その供給が通常通りできるのか。工作機械の水準に狂いはないかなどをチェックしなければならない」(同社広報部)
幸いにも同社の従業員には人的被害がみられなかったため、当初は地震による体制の立て直しに注力する予定だった。それも16日01時に最大震度6強の地震が発生した後、根本的な見直しを迫られ、さらに製作所の休日中に今週中の稼働停止を決断した。
地震の活動域となっている熊本地方は、被害状況を調べるどころか、今も被害の真っただ中にある。気象庁の警告は、今も発生当初と同じ警告を繰り返す。
「熊本県から大分県にかけては、地震は活発。現地では土砂災害も発生している。今後発生する地震にも十分注意してほしい」(青木元地震津波監視課長)