トヨタ自動車は4月8日、1月に米国に設立した人工知能技術の研究・開発を行う「Toyota Research Institute Inc.」(以下、TRI)が、新たに米国ミシガン州アナーバーに拠点を開設すると発表した。
新拠点は、カリフォルニア州パロ・アルトおよびマサチューセッツ州ケンブリッジに次ぐ、TRI第3の拠点。この新拠点では、ミシガン大学のライアン・ユースティス教授がマッピング技術で、エドウィン・オルソン教授がセンサー・認識技術で、それぞれの研究を指揮すべく参画する。両教授は、ミシガン大学教授職との兼務となる。
新拠点開設は6月を予定。トヨタの米国の研究開発拠点であるトヨタ・テクニカル・センターの自動運転研究チーム約15名が、開設にあわせTRI新拠点に異動する。新拠点全体の人員は、当面の計画として約50名を想定している。
また、アナーバーの拠点はミシガン大学から徒歩圏内に位置しており、TRIは自動運転研究で同大学と密に連携していく。あわせて、ミシガン大学の人工知能・ロボティクス・材料科学の研究を資金面でサポートもしていく。TRIはすでにスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)とも研究を進めてきており、今回、大学・研究機関との連携が一層進むことになる。
TRIのギル・プラットCEOは「ミシガン大学は、特に自動運転など自動車安全に関する研究で非常に優れている。加えて、トヨタとしても、ミシガン大学の近くにテクニカル・センターを構えるとともに、走行実験施設である「エムシティ」を運営するモビリティ・トランスフォーメーション・センターのスポンサーであるなど、アナーバーとの縁は深い。また、近郊においてもエムシティを補完する走行実験施設として、アメリカン・センター・フォー・モビリティの開設が予定されている。このようなことから、TRI拠点のひとつとして、アナーバーは非常に魅力的だ」とコメントしている。