アルマ望遠鏡、地球に似た軌道を持つ惑星の誕生現場を初観測…若い星の付近で

宇宙 科学
アルマ望遠鏡が捉えた若い星うみへび座TW星のまわりの原始惑星系円盤
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国立天文台は、アルマ望遠鏡による新しい観測で地球に似た軌道を持つ惑星の誕生現場を、若い星のまわりで初めて観測した。

アルマ望遠鏡による新しい観測で、若い星の周囲円盤がこれまでになく詳細に描き出した。この円盤には、太陽と地球の間に相当する距離の隙間が見つかった。

今回の観測対象となったうみへび座TW星は、地球から175光年と非常に近く、約1000万歳と若いことから、天文学者がさかんに観測を行っている人気の天体。地球からは星の周囲の円盤(原始惑星系円盤)を真正面から見ることができるため、円盤の全体像を把握できる。

アルマ望遠鏡による観測では、円盤が詳細に撮影され、同心円状の塵の帯と隙間がはっきり確認できた。これは、地球に似た軌道を持つ惑星がここで作られていることを示唆している。

今回の観測では、うみへび座TW星の周囲にある塵が放つ微弱な電波を観測することで、中心の星から1天文単位(地球と太陽の間の距離1億5000万kmに相当)程度の距離まで詳しく描き出すことに成功した。これはアルマ望遠鏡がアンテナを14kmまで展開して超高解像度を達成したことによる成果。

また、中心の星から1天文単位のところにある隙間のほか、中心星から30億kmと60億km(それぞれ20天文単位、40天文単位)のところにも円盤に隙間があることが分かった。これは、太陽系ではそれぞれ天王星や冥王星の軌道に相当する位置。これらの隙間も、形成途中の惑星が周囲の塵とガスを吐き寄せることでできた可能性がある。

《レスポンス編集部》

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