【SUPER GT 富士テスト】2日目…午後のセッション、塚越&小暮 NSX がトップ同タイム

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#17 NSX(GT500クラス)
  • #17 NSX(GT500クラス)
  • #12 GT-R(GT500クラス)
  • #6 RC Fと#39 RC F(GT500クラス)
  • #38 RC F(GT500クラス)
  • #46 GT-R(GT500クラス)
  • #37 RC F(GT500クラス)
  • #36 RC F(GT500クラス)
  • #7 BMW M6 GT3(GT300クラス)

SUPER GT富士公式テストは27日に最終日(2日目)を迎えた。GT500クラスでは午後のセッションで塚越広大&小暮卓史のKEIHIN NSX CONCEPT-GTがトップタイのタイムをマーク。近年苦戦のホンダ勢だが、復活気配が出てきているとすれば楽しみだ。

開幕前最後の合同テスト機会となったこの日は、午後に少し曇ったものの、ほぼ好天のドライコンディション。ただ、GT500クラス(参加15台)のベストタイムは前日の1分27秒台水準にまでは達しなかった。セッション中のベストタイム変動が全般に少なく感じられたことから、決勝を意識したロングラン想定のメニューに重きを置いていた陣営が多かったとも推察されるところである。ウエイトハンデをどれくらいの設定で積んでいたかも千差万別だろう。

GT500はロングストレートがある富士用ともいえるロードラッグ仕様空力パッケージを使ってのテストが基本でもあったわけだが、この日午前の約2時間の走行ではベストタイム順位におけるレクサスおよびブリヂストン(BS)の上位支配傾向が少し弱まった。BS勢が1~4位で、レクサスRC Fは2~4位。トップは#12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ・オリベイラ/BS)の1分28秒228。

午後はセーフティカー訓練も含めての約2時間15分の走行。ここでは#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(H.コバライネン&平手晃平/BS)と#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)が1分28秒854でトップ同タイムとなった。

これが予選であれば、先にタイムを出した方が上位。実際、タイムモニター上では先にタイムを出していた#39 RC Fが一番上に居続けた。しかし今回はテスト、#17 NSXも午後のセッションのトップという言い方でいいだろう。午前と午後の総合では7番手に過ぎず、各車がそれぞれ何をやっていたかがバラバラな状況下でのセッショントップ同タイムとはいえ、過去2年、現行規定車での戦いになってから苦戦傾向が続き、今季はハイブリッドシステムを非搭載化して新たな戦いに船出することにもなっているホンダ勢、久々に明るいニュースではないだろうか。

ハイブリッド非搭載という面ではレクサス、日産と同条件になり、その分の重量加算はなくなる(NSXはミッドシップなので、そちらの加算分は残る)。出力へのアシストは失っても、重さという要素が軽減されることを強みに変えていきたいホンダ勢は、人事面で塚越&小暮という新たな実力派コンビも生み出しており、このコンビにかける起爆剤としての期待は大きい。

#17 塚越広大のコメント
「ニュータイヤの確認のためのセットをやっていたなかで出たタイムです。ただ、ロングランをやっているマシンが多かったので、ちょっと引っかかったんですよね。完璧なクリアラップではなかったです。

ロングをやっていたマシンが多い(タイムを出しにいったマシンが少ない)こととかを考えた場合、もうちょっと一発のタイム自体は上げておかないといけないと思います。それに、どうせなら(モニター上でも)トップで終わりたかったですよね(苦笑)。(前週の)岡山テストではうまくいっていなかったんですが、今回、いろいろ変えてきたことが結果にもつながっていると思います。開幕戦の岡山も、テストの時よりいいと思います。

(小暮との新コンビは)楽しく、勉強させてもらいながらやっています。お互いに気持ちよく走れるクルマにしないといけませんが、今回はそういうところに近づいたと感じています。正直、(このオフのテスト期間を通じてセットアップ面で)迷っていた時期もありましたので、最後の合同テストで一応のタイムが出せてよかったです」

塚越は3月中旬のスーパーフォーミュラ鈴鹿テストで大きなクラッシュを経験しており、「まだ少し(身体に)痛みはあります」とのことだが、開幕に向けては「大丈夫です」と頼もしい。日産とレクサスに対し、塚越らホンダが互角の戦いを挑めるようになれば一層面白いだろう。前週の岡山から今週の富士と全般にタイム上位傾向のBSタイヤを履くマシンが多いこともNSX軍団にはいい材料のはず。開幕からの巻き返し開始に期待だ。

GT300クラス(参加24台)では、午前に1分36秒194をマークした#7 Studie BMW M6(J.ミューラー&荒聖治/ヨコハマ=YH)がこの日の最速。前日に午前、午後ともトップだった#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&J.マーデンボロー/YH)がこの日の午後も3回目のセッショントップタイムとなる1分36秒611を記録したが、2日目の午前午後総合では2番手だった。

2日目の総合3位タイムは#65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹&蒲生尚弥/YH)。ここまではFIA-GT3規定マシンだが、4位にはいわゆるJAF-GT規定車の#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)がつけており、さらに5、7、9位と、マザーシャシー使用車を含めたJAF-GT勢がシングル順位に入ってきている。テストなので状況未知な部分は多々あるが、実戦でも両規定のマシンが上位に入り乱れるような混戦を期待していいのではないだろうか。GT500同様、GT300も大いに楽しみなシーズンとなる。

2週間後にはついに開幕を迎えることとなる「2016 AUTOBACS SUPER GTシリーズ」。岡山国際サーキットでのシーズンオープニングレースは4月9日が予選、そして翌10日が決勝という日程での開催だ。そして続く第2戦は富士が舞台となり、ゴールデンウイーク中の5月3~4日に開催される。

《遠藤俊幸》

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