【ATTT16】自動運転時代の自動車保険、事故が起きたときの責任の所在と補償は?

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ATTT16 パネルディスカッション 自動運転X自動車保険
  • ATTT16 パネルディスカッション 自動運転X自動車保険
  • ジャーナリスト岩貞るみこ 氏
  • 日本損害保険協会 業務企画部長 大坪護 氏
  • ジェイシーレゾナンス 代表取締役 松永博司 氏
  • ATTT16 パネルディスカッション 自動運転X自動車保険
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ATTT16の2日目となる3月17日にはセミナー会場で、自動運転時代の自動車保険をテーマにジャーナリストの岩貞るみこ氏、日本損害保険協会業務企画部長の大坪護氏を迎えて、パネルディスカッションが行われた。


◆完全自動運転で自動車保険はなくなるか?

モデレーターを務めたジェイシーレゾナンス代表取締役の松永博司氏の「完全自動運転になれば保険はいらなくなるのではないか」との問いかけに、大坪氏は「漫然運転や脇見運転といった自動車事故の原因で最も多い安全運転義務違反のような事例を機械が補ってくれる。ヒューマンエラーとしてのミス、うっかりがなくなっていくということであれば、当然事故は減るという予想はできる」との認識を示した。

また岩貞氏も「安全運転をドライバーがきちんとやってさえいれば防げたであろうと考えられるものが本当に多いので、そこを何とかしようというのが自動運転で、自動運転になれば事故は減ってくるであろうし、自動車メーカーもそのつもりで取り組んでいる」と応じた。


◆安全運転支援システムの普及で事故件数減少も単価は上昇

ただ大坪氏は「被害軽減ブレーキなど部分的な自動運転車の普及で対物、車両事故件数ともに減っているが、支払保険金は増加傾向にある」ことも明かした。

その背景として大坪氏は「件数が減っているのに保険金の支払いが増えているということは、当然単価が上がっていることになる。自動運転でぶつからなくなっているかもしれないが、一度ぶつかった時の修理コストが上がっている」と分析。

岩貞氏も「今の車はヘッドライトのレンズがちょっと割れただけでもユニットごと交換しなければならないようになっている。自動運転の場合は、いろいろなところにカメラやセンサーがついているので、それをぶつけた時の交換代や、再び正常な機能を取り戻すためのコストなどを考えると、相当修理費が高くなって、保険料も上がるのかなと思う」と述べた。


◆完全自動運転車との混走がこれまでとは異なるトラブル生む可能性も

また大坪氏は「現状でも被害軽減ブレーキが付いている車とそうじゃない車が一緒に走っているように、完全自動運転車ができたとしても普通の車との混合交通はしばらく続くので、そうした状態の中で、今まで想像できないような事故が起きるかもしれない」と指摘。

さらに「完全自動運転で人間が支配していない状況で何らかのエラーで事故が起きた場合に、一体誰が責任を負うのかという問題も残る。仮に車に過失があるとして訴訟を起こすとなると、相当な時間がかかってしまう。被害者を救済しながら、社会として誰が責任を負うのか、どういう責任の持ち方をするのかというコンセンサスをどこかでつくらなければいけない。おそらくレベル4にいったら、そういう議論をしっかりとしなければいけない」との見通しを大坪氏は示した。

これを受ける形で岩貞氏も「例えば一本橋の前方からスクールバスが走ってくる、どう考えても止まれないと完全運転自動車が判断した時に、スクールバスに衝突して止まるのか、自分の車両だけ橋から落ちて衝突を避けるのか、どういう対応をさせるのかという議論もいずれ必要になってくる」と付け加えた。


◆少子高齢化に進む日本にこそ自動運転は必要

パネルディスカッションでは完全自動運転が登場するまでに対処すべき課題が山積していることが浮き彫りになったが、大坪氏は「自動運転は決して悪いものではないし、高齢化の中でモビリティを確保しなければならないということにも寄与するし、むろん交通事故も減る。ただ事故は無くならないので、コンセンサスづくりを並行してやっていかないと良い制度ができてこないと感じている」と述べた。

また岩貞氏も「通販利用などで物流がものすごい勢いで増えているのに対し、労働力が足りていない。これからも少子化が進み労働力が激減してく中で、どうやってものを運ぶのかということも含めて、自動運転は今の日本には必要なもの。ただ制度や保険、補償といったものが、しっかりしていないとユーザーとしてはすごく不安なので、様々な機会を通じて提言していきたい」との考えを示した。
《小松哲也》

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