JAF(日本自動車連盟)は、空気圧の違いによるバーストの危険性をタイヤ試験機で検証。その結果を発表した。
テストはタイヤメーカーの試験機を使用し、空気圧が「適正」と「半分」の2つの新品タイヤで速度による変化とサーモグラフィで表面温度を計測した。その結果、適正空気圧のタイヤでは時速210kmでも問題なかったが、半分のタイヤは時速200kmでスタンディングウェーブ現象が発生し、表面温度は100度をオーバー。さらに時速210kmになると、波打ちが激しくなりバーストした。
空気圧が低いタイヤは、スタンディングウェーブ現象が起きやすく、内部が損傷することでバーストにつながる。テストでは時速210km時点だったが、長期間使用したタイヤの場合、法定速度内でもバーストする可能性がある。また、タイヤを縁石などにぶつけたり擦ったりした場合もバーストしやすくなるので注意が必要だ。
JAFでは、バーストが起こった際の車の挙動についても併せて検証。テストは直進コースとカーブコースで、突起物を右前輪で踏み、バーストを再現した。進入速度は直進が時速70km、カーブが時速50km。
テストの結果、直進ではバースト車両は同じ位置でブレーキを踏んでも、通常走行より停止距離が約5m延びた。カーブでは外側に大きくふくらみ、パイロンに沿って曲がれなかった。バースト発生時は車の挙動が乱れるが、慌てて急ハンドルや急ブレーキをせず、ハンドルをしっかり保持して減速するよう、注意が必要だ。