14日、スーパーフォーミュラ公式合同テスト開催中の三重県・鈴鹿サーキットにおいて、小林可夢偉に兵庫県知事から交通安全啓発運動への貢献に対して感謝状が贈呈されている。
一昨年まではF1が主戦場、昨年からは国内のスーパーフォーミュラ(SF)に活躍の場を移し、今年は世界耐久選手権(WEC)の最高峰LMP1-Hクラスにも挑戦する可夢偉が、地元の兵庫県から感謝状を贈られた。これは尼崎市出身の可夢偉が、「ストップ・ザ・交通事故」県民運動を広く周知、県民に交通安全意識を浸透させるためのポスター作成に昨年協力、成果を得たことに対してのものだ。このポスター作成には過去、プロ野球・阪神タイガースの藤浪晋太郎投手らも参加している。
兵庫県企画県民部交通安全室の難波宏明室長から井戸敏三知事名義の感謝状を贈られた可夢偉は、「今日のテストは(コンディションが良くないため)クラッシュだらけなんですけど」と得意のジョークで笑わせながらも、公道での交通安全啓発に自身が貢献できた喜びを表情に滲ませていた。
トヨタワークスから参戦するWEC関連のスケジュールのため、可夢偉(#8 SUNOCO Team LeMans/トヨタ)は中嶋一貴ともども、都合4日間の今回のSF鈴鹿テストには後半2日半のみの参加となっている。チャンピオンを狙う2年目に向け、「しっかりした準備をしたい」と常々言っている可夢偉だけに、ヨコハマタイヤ初年度、出遅れの影響がないことはないかもしれない。
ただ、可夢偉の“センサー”はやはり鋭敏だ。前日のファン感イベントにおけるデモレースでドライ用タイヤを短時間ながら試した感触について、「肩慣らし程度ですから、まだなんともいえませんけど」と前置きしつつも、昨年11月のテスト時から量産仕様へとアレンジさせれたタイヤの違いを的確に感じ取っているようだった。「僕的には11月のタイヤが感覚的にわるくなかったんで、やり直しになるのはちょっとガックリなんですけどね(苦笑)」。
ヨコハマタイヤの秋山一郎エンジニアによれば、ゴムや構造は11月から基本的に変わってはいないものの、量産へのアレンジによってキャラクターの違いはある程度出てきている、とのこと。可夢偉は6周のランのなかで、そこをしっかり感じ取った。セットアップ作業の“やり直し”がどこまでのレベルに及ぶかは分からないが、とにかく明日(15日)のテスト最終日、しっかりドライコンディションで走り込みたいところだろう。
明日、そして3月31日~4月1日の岡山国際サーキット(地元隣接県)における第2回公式テストでの準備の成果が、可夢偉の今季、特に序盤の成績に反映されることになる。今年もファンの注目を集める可夢偉、その走りと成績には大いに期待したい。