鈴鹿サーキットで行われている「モータースポーツ ファン感謝デー」で、ジャン・アレジとジュリアーノ・アレジの親子対決が実現した。
父のジャン氏と女優の後藤久美子さんの間に生まれたジュリアーノは、昨年初めて鈴鹿サーキットに来場し、入門型フォーミュラカーで走行。モータースポーツファンに初めてその姿を披露し話題となった。
その後、FIA-F4のフランスシリーズに参戦。いきなり優勝を飾るなどの活躍を見せ、今年はGP3シリーズにステップアップ。さらに先日にはフェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバーに加わることも正式に決まり、その赤いレーシングスーツで今回も登場した。
1年経って、見違えるほど大きく成長したジュリアーノ。今回も流暢な日本語で挨拶だけでなくトークショーにも日本語で挑戦。「ごめんなさい。(日本語は)難しくて、うまく喋れない」と言いつつも、本当に日本人と変わらないとってもよいくらいの流暢な日本語だった。最初は緊張した面持ちだったが、「鈴鹿サーキットに戻ってこれて嬉しい」と笑顔をみせていた。
こちらも昨年に引き続いてのファン感謝デー出演となるジャン氏は、この鈴鹿サーキットについて「鈴鹿は僕の歴史そのもの。妻と出会ったのも鈴鹿だったし、F1のレースでも色々な経験もした。そして今回は息子と一緒にF1走行をする。鈴鹿なしでは僕の歴史は語れない」とコメントしていた。
そしていよいよ走行へ。ジュリアーノは父譲りのデザインのヘルメットで、ティレル『019』に乗車。一方のジャン氏はフェラーリ『F187』に乗り込んだ。実際には対決ということで、そのままスタートなのだが、ジャン氏はジュリアーノを従えまずは1周ゆっくり走行。ジュリアーノに鈴鹿の走り方を教えるように先導するシーンも見られた。2周目に入り早くもマシンに順応したジュリアーノは父を抜いて先行。今度はジャン氏も後ろから息子の走りをじっくり見るようについて走っていたのが印象的だった。
東コースを3周してチェッカーフラッグ。メインストレートに帰ってきてマシンを降りた2人は笑顔で抱擁。ジャン氏は息子の立派な走りをみて父親としての嬉しさが溢れている様子。またジュリアーノも「古いマシンだし、F1だし、ちょっと緊張していました。でも最高に幸せです」と満面の笑みでF1初走行の感想を語った。